2013 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変の胆管病変における性ホルモンの関与と治療戦略
Project/Area Number |
23590393
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
原田 憲一 金沢大学, 医学系, 准教授 (30283112)
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Keywords | 原発性胆汁性肝硬変 / 胆管 / エストロゲン / エストロゲン受容体 / 病理学 / エストロゲン関連受容体 |
Research Abstract |
原発性胆汁性肝硬変(PBC)はピルビン酸脱水素酵素(PDC)を対応抗原とするミトコンドリア抗体(AMA)の出現、また肝内胆管における慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)と胆管消失が特徴である。また、中高年女性に好発し、性差の一因としてエストロゲンの関与が想定されている。昨年度まで、胆管細胞におけるエストロゲン受容体(ER)およびエストロゲン関連受容体(ERR)の発現を検討し、①胆管細胞はERβを発現しているが、ERαの発現は明らかではなく、またエストロゲンによる増殖活性亢進は見られない、②胆管細胞は、ERRα, ERRγを発現しているが、ERRβの明らかな発現は認めない、③PBCの傷害胆管では、ERRα,ERRγの発現が正常肝の胆管に比べて亢進しており、特に活性化を意味するERRの核発現が見られることを明らかにしてきた。また、ERRαはperoxisome proliferator-activated receptor γ coactivator 1α (PGC-1α)とともにPDC活性を阻害し、解糖系エネルギー代謝の抑制を来すが、本年度はPBCの傷害胆管ではERRα/PGC-1α発現とともに、解糖系から脂肪酸分解系への偏位に伴い酸化ストレスに起因するアポトーシス感受性も亢進していることを明らかにした。以上の結果より、胆管細胞はERのみならずERRも発現しており、また、ERRαはERαと競合しエストロゲン作用を低下させることから、PBCの傷害胆管での活性型ERRα発現は、ERαとの競合によりエストロゲン作用を更に低下させている可能性がある。すなわち閉経によるエストロゲン作用の低下に加えて、胆管細胞におけるERRα活性化が胆管におけるエストロゲン作用を更に減弱させて、細胞増殖低下による再生不全が胆管消失に寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Systemic and local expression levels of TNF-like ligand 1A and its decoy receptor 3 are increased in primary biliary cirrhosis.2013
Author(s)
Aiba Y, Harada K, Komori A, Ito M, Shimoda S, Nakamura H, Nagaoka S, Abiru S, Migita K, Ishibashi H, Nakanuma Y, Nishida N, Kawashima M, Tokunaga K, Yatsuhashi H, Nakamura M.
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Journal Title
Liver Int.
Volume: 34
Pages: 679-688
DOI
Peer Reviewed
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