2011 Fiscal Year Research-status Report
悪性胸膜中皮腫の進展・浸潤メカニズムの解析:病理診断への応用と新規治療法の開発
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23590438
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
辻村 亨 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20227408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥井 郁子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70207661)
佐藤 鮎子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20419823)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 悪性胸膜中皮腫 / 上皮間葉転換 / 浸潤 |
Research Abstract |
悪性胸膜中皮腫の進展・浸潤メカニズムを解明する目的で、我々が樹立した悪性中皮腫細胞株や初期培養中皮腫細胞を用いて上皮型中皮腫と肉腫型中皮腫の遺伝子発現プロファイルを比較した。その結果、肉腫型中皮腫では上皮型中皮腫に比べて、E-cadherin (CDH1)の発現が有意に低下し、twist1の発現が増強していることが明らかになった。悪性中皮腫の組織像(上皮型或いは肉腫型)には、上皮間葉転換が深く関与していると考えられる。また、肉腫型中皮腫は上皮型中皮腫に比べて、胸壁浸潤が強く予後が悪いことが知られており、twist1などの上皮間葉転換関連分子が中皮腫細胞の進展・浸潤に深く関わっている可能性がある。悪性中皮腫細胞株と培養中皮細胞を用いて中皮腫と中皮細胞の遺伝子発現プロファイルを比較し、中皮腫に強く発現する細胞接着因子を探索した。その結果、中皮腫では中皮細胞に比べて、leukocyte homing-associated cell adhesion receptor (CD44)が強く発現していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
悪性中皮腫の組織像(上皮型或いは肉腫型)に上皮間葉転換関連分子が深く関与することを示した。また、上皮間葉転換関連分子以外においても、上皮型中皮腫と肉腫型中皮腫、中皮腫と中皮細胞との間で差が見られる分子を見出し、研究基盤を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitro実験系により抽出された分子の生物学的作用(進展や浸潤など)について、同所移植モデルを用いて検討する。悪性中皮腫細胞株をヌードマウスの胸腔内に移植し、胸水中に浮遊する中皮腫細胞(浮遊細胞)、胸腔表層で増殖・進展する中皮腫細胞(進展細胞)、胸壁に浸潤する中皮腫細胞(浸潤細胞)における遺伝子発現プロファイルを比較し、上皮間葉転換関連分子や細胞接着分子の進展や浸潤における関与を検証する。また、同所移植モデルの進展部位や浸潤部位における発現を免疫組織化学染色やin situ ハイブリダイゼーション法により調べ、上皮間葉転換関連分子や細胞接着分子の進展や浸潤における関与を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
細胞培養のための試薬、移植用のマウス、遺伝子組換えのための試薬などの購入に使用する。
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Research Products
(7 results)