2013 Fiscal Year Research-status Report
体系的な生体臓器移植医療システム構築に向けた生体ドナーの位置づけに関する研究
Project/Area Number |
23590595
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
倉田 真由美 独立行政法人医薬基盤研究所, 難病・疾患資源研究部, 特任研究員 (50378444)
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Keywords | 生体臓器移植 / 生体肝移植 / 生体ドナー / 社会意識 / 位置づけ |
Research Abstract |
【研究の目的】本研究は日本の移植医療の実態に即した生体ドナーに関する事前規制や事後のケアおよび支援・補償策が立案できるよう,実態調査から生体移植および生体ドナーの社会的な位置を検討することを目的としたものである. 【研究実施計画】①平成23年度は実態調査を行い(実態調査),②平成24年は実態調査によって得られた知見から問題について検討し論点を整理する(分析・評価).③最終年度は24年度までの分析結果に基づき,日本における生体移植および生体ドナーの位置について検討し,医療現場及び社会に還元普及までを目標とする(研究成果の還元). 【平成25年度までの研究成果】平成24年度は生体肝移植がどのような傾向をもって伝えられたのか,またこの治療法が抱える問題をマスコミはどのように捉え社会に提起してきたのか,新聞の見出を用いテキストマイニングによって探索的に検証した.結果,生体肝移植のレシピエントは「頑張る」ドナーは「助ける」のコンセプトで表される傾向がみられた.総じて批判的な報道は少なく,生体肝移植のドナーへのリスクを報じる一方で,レシピエントの生存率の高さや技術面の安全性を評価する報道がなされていた.平成25年度は社会(受け手)がどのように生体肝移植に対し認識しているのか,社会意識を明らかにすることを目的とした調査を実施した. 1,000名を対象とした電子調査票を用いた先着順型自記入式調査を実施した。結果,生体臓器移植の実施について87.1%が肯定的で、80.5%が臓器提供をしてもよいと考えていた。また、生体臓器移植の提供や受療について考えるとき「結婚」や「子ども」などの家族に結びついた要素が多分に影響していることが明らかになった。引き続きこの後,つい調査を実施し,今回の研究とあわせて生体肝移植並びに生体ドナーの社会的な位置づけについて考察・検討し報告したいと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
【評価・自己点検】平成26年度までに生体肝移植並びに生体ドナーの社会的な位置づけについて考察した結果をまとめる予定にしていたが,調査結果の信頼性を高めるために追調査を実施することにより、研究の進捗に遅れが生じて、計画期間内での目標達成が出来なかった.
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の研究の推進方策】今後は,生体ドナーの事前規制および事後支援・補償策の具体的な検討により,安心して受療できる移植医療システムの構築に資するよう,これまでの調査結果をまとめ,生体移植および生体ドナーの法的・社会的な位置づけについて検討し提言としてまとめる.また,研究成果については学会発表と雑誌への投稿,研究報告書の刊行,公開研究会および公開シンポジウムの開催などの方法により公表し広く社会に還元する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画に沿い,実態調査を実施したが,調査結果の信頼性・客観性を高めるために一部計画を追加し,追調査を実施することになり,研究の進捗に遅れが生じて、計画期間内での目標達成が出来なかった. 追調査及び追調査によって得られた調査結果を加えたデータの解析に,未使用額分の経費を充てることとした.
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Research Products
(1 results)