2013 Fiscal Year Research-status Report
医学教育における情報伝達・収集過程の分析ー医療面接と有害事象対応
Project/Area Number |
23590596
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
関 進 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (80422955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 剛 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (30378640)
作間 未織 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60349587)
前田 祐子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30378749)
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Keywords | 医療面接 / 有害事象 / コミュニケーション / メディア処理 / 対話 / 非言語 |
Research Abstract |
本研究は医学生の2種類のコミュニケーション教育,すなわち主に情報取得を中心とした医療面接実習と主に情報提供を中心とした有害事象説明実習を対象に,情報の提供・取得をどのように非言語がサポートするか,という観点で分析を行い,医療における対話型コミュニケーションの総合的な教育的知見を明らかにすることを目的としている. データは質問紙による調査と,ビデオ撮影による映像・音声の収録により取得している.昨年度は収録データから毎秒30フレームで,音声と動作の書き起こしを試みたが予想より書き起こしにかかる負荷が大きく断念した.このため今年度は一部の収録データに絞って,そのデータを対象に言語分析手法の検討,言語情報と非言語情報の関連性についての分析手法の提案やデータベースへの言語・非言語情報の実装方法について研究を進める予定であった.しかしながらコミュニケーションの理解に有効な言語の分析手法を提案することが出来ず,それに続けて実施予定であった言語情報と非言語情報の関連性の分析や,言語・非言語を統一的に取り扱うデータベース構築方法についても成果を上げることが出来無かった. この状況を打破するために既にデータベース化して分析が可能となっている有害事象説明実習の質問紙について精査することとした.その結果,有害事象説明実習での情報伝達では,明示的な情報伝達と非明示的な場合の伝達の違いが重要な役割を果たす可能性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は音声・画像の収録データの分析では分析対象を一部に絞ったこともあり有益な知見を得ることが出来なかった.また研究代表者の所属機関の異動のため十分な研究時間を確保することが出来なかったことも研究の遅れにつながっている.しかしながら新たな切り口で研究をとらえ直して,今後の成果につながる糸口を見出した.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度,音声・動作の分析ではデータ数が少ないことが有効な成果を上げることを困難にした.そこで,次年度は分析可能なデータを増やすこととする.すなわち,コミュニケーションでの言語の役割に特に注目することで,高負担である毎秒30フレームでの書き起こしではなく,時間情報を落とした発話内容のみの書き起こしを行い,負担を低減してデータを増やす. また,今年度見出した情報の明示性という切り口を用い,情報伝達の流れと合わせた2軸でとらえて分析を進めて行くこととする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は研究代表者の所属機関の異動や研究方針の見直しから当初予定していた分析を行わなかったため,そのためのソフトウェアや機材の購入を見送った.また,発表可能な成果を上げることが出来ずに,学会や研究会への参加も見合わせた. 次年度は,新たに設定した方針をもとに,データの拡充のための,入力・保存用の機材の購入や,発話内容の書き起こしのための外部への委託費用が必要である.また,得られた成果について公表するために学会・研究会への参加費用や,論文の英語校正などにも充当する.
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