2013 Fiscal Year Annual Research Report
若年成人の百日咳菌に対する抗体価の検討および検査法の評価
Project/Area Number |
23590624
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺久保 繁美 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 研究技術員 (30398961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 秀喜 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20192669)
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Keywords | 麻疹抗体価 / 風疹抗体価 |
Research Abstract |
最終年度の課題としていた百日咳菌以外の抗体価(麻疹および風疹の抗体価)を測定した。 麻疹や風疹はワクチン接種により予防可能な感染症である。しかし、わが国には、これらのワクチンの未接種者や接種しても免疫が獲得できなかった者、時間経過によって抗体価が低下した者などからなる集団が存在する。そのため、2007~2008年に10~20代を中心に麻疹が大流行し、また、2012~2013年には成人男性を中心に風疹が大流行した。これを踏まえて、今回我々は、若年成人の麻疹と風疹に対する抗体保有状況を知るために本学学生の血清IgG抗体価をEIA法により測定した。 被験者は2003年から2013年の本学2年生579人で採血時に麻疹または風疹の症状を示す者はいなかった。血清IgG抗体検査にはデンカ生研製のEIAキットを使用した。抗体価の判定は院内感染対策として日本環境感染学会が定めたワクチンガイドライン第1版を参考にし、感染予防の基準を満たす陽性を麻疹抗体は16.0以上、風疹抗体は8.0以上とした。 麻疹抗体価の基準を満たす陽性者は44.4%(257/579人)、残りの55.6%(322/579人)が感染予防の基準を満たしていなかった。風疹抗体価の基準を満たす陽性者は72.5%(420/579人)、残りの27.5%(159/579人)が感染予防の基準を満たしていなかった。 今回の検査対象は将来医療従事者となる若年成人で、特に医療従事者は本人が罹患するだけでなく、周囲の患者や他の職員に対して感染源となることがある。そこで、自分の抗体価を知り、十分な抗体を保有しなければワクチンを接種することが求められている。今後、医療従事者の感染予防対策のためにも医学生に対するワクチン接種を積極的に推進する必要があると考えられる。
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Research Products
(2 results)