2011 Fiscal Year Research-status Report
ラジオ波温熱刺激を用いた変形性関節症の疼痛抑制効果に関する研究
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23590723
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高橋 謙治 日本医科大学, 医学部, 准教授 (30347447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 一史 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60169290)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 温熱慮法 / 動物モデル / ラジオ波 |
Research Abstract |
予定していた靱帯切離による使用する変形性関節症(OA)モデルでなく自然発症OAモデルを用いた。Hartley guinea pigは4カ月齢頃から膝関節OAが自然発生し18カ月で末期OAとなると報告されている。予定していたラット外傷OAモデルより安定してOAが進展することを膝関節の切片を作成しサフラニンO染色を行うことにより確認した。このモデルは3カ月齢ですでに初期OAを発症し、この組織像はマウス、ラットの外傷OAモデルと比較してヒトのOAと近く、fibrillationおよび cluster形成が認められた。そこで3カ月齢時に右膝関節を動物用小型ラジオ波発信器(13.56MHz、0~500W、山本ビニター社製) でラジオ波照射した。ラジオ波照射によって関節内温度が目標の40℃に上昇できる条件(出力、時間、照射方法)を見いだした。経時的に右膝関節を採取し、脱灰後組織切片を作成した。軟骨細胞の老化、細胞死と関連しOAの進展防止に重要であるautophagyのマーカーであるULK1 およびBeclin1の免疫組織化学を行った。正常軟骨ではautophagyが見られるのに対し、OA軟骨では軟骨の変性程度と関連して低下していた。照射によりautophagyが活性化し、OA治療効果につながる可能性を見いだした。変形性関節症の国際学会およびハイパーサーミア学会に参加し、実験に関する最新の情報を得た。本研究知見に関連する国際発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度は至適ラジオ波照射条件の検討を行う予定であった。これまでの研究で関節内温度を40℃に加温すると軟骨基質の主要成分であるproteoglycanおよびtype II collagenの発現が強く亢進することを見いだしている。動物用小型ラジオ波発信器(13.56MHz、0~500W)でOA動物モデル膝関節(Hartley guinea pig)にラジオ波を様々な電圧、時間、アプリケーターで照射後、安定して関節内温度を上昇させることに成功し。さらにOAに関連した因子の変化を免疫組織化学で確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
OA動物モデルに平成23年度で設定したラジオ波を照射後除痛効果を検討する。さらにOA進展抑制効果の有無を確認する。これまでの研究でヒトOAと同様にOA動物モデルの関節軟骨、滑膜、軟骨下骨で疼痛の原因となりうる炎症性サイトカインやプロスタグランジンの発現が亢進していることを確認している。ラジオ波照射によりこれらの発現が変化しうるか検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度はラジオ波を照射後温熱によち軟骨細胞抑制効果を発揮するHSP70および細胞内メッセンジャーである燐酸化JFKに関する免疫組織化学を行う。後根神経節において疼痛を伝達する小型神経細胞マーカーであるcalcitonin gene-related peptide (CGRP)陽性神経細胞数を検討する。免疫組織化学の抗体などの経費が必要である。また関連学会に参加し、研究成果を発表するとともに、最新情報を収集するための経費を使用する。国際的な発信のため翻訳、校正の経費が必要である。
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Research Products
(2 results)