2011 Fiscal Year Research-status Report
ペインセンサーTRPA1のチャネル活性抑制メカニズムの解明
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23590730
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (20330441)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | TRPチャネル / artemin / TRPA1 / Ret / GFRα3 |
Research Abstract |
本研究はartemin-Ret/GFRα3シグナルによるTRPチャネル型受容体の機能調節を着目し、TRPチャネル活性抑制制御の分子メカニズムを解明する。H23年度に以下の研究を行い、arteminによるTRPチャネルの機能抑制を明らかにした。1) 一次求心性ニューロンにおけるarteminの受容体であるRet/GFRα3とTRPチャネル(TRPV1とTRPA1を中心に)との共存を詳細に調べ、二つの受容体間の機能的interactionの形態学的なバックグランドとしてその高い共存率を明らかにした。2) パッチクランプ法を用い、ラット一次求心性ニューロンにおけるRet/GFRα3シグナルによるTRPチャネル活性の抑制調節作用を確認し、そのメカニズムの一部として受容体の細胞内移行が示唆された。3) ホルマリンテストを用いて、薬理行動学的にartemin-Ret/GFRα3シグナルによるTRPチャネルの活性抑制を調べ、artemin投与による疼痛行動の抑制が確認した。本年度の成果により、病態時におけるartemin-Ret/GFRシグナル伝達経路の中で、痛みセンサーであるTRPチャネルの刺激応答性の抑制が確認された。次年度以降のTRPA1機能抑制の分子・細胞レベルの解析のために重要な基礎的な実験データが取得できた。また、研究戦略的には、In vivoでの現象(形態学データ)を解析しながら,In vitro(電気生理学データ)でその機能的挙動を探る事で、より確実に成果を得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度研究計画の主要内容として、In vivoにおいてTRPチャネルとRet/GFRα3の共存を確認する研究はほぼ予定通りに完成し、TRPV1とTRPA1とRet/GFRα3との高い共存率が確認された。また、慢性疼痛動物モデルにおけるarteminおよびその受容体の発現変化を調べ、GFRα3とRet受容体のcDNAのsubcloningも予定通り完了した。さらに、次年度に予定していたパッチクランプ実験の一部を今年度中に実施することができ、有意義なデータを収集した。今年度の研究により、次年度以降の研究をサポートする重要なデータが取得し、計画通り本年度の研究を完成したので、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進について、申請書の計画とおりに実験を行い、具体的に以下のステップを踏みながら研究を進める予定である。1) 一時求心性ニューロンの培養細胞を用いて、arteminの短期投与および長期投与による、TRPA1やTRPV1などTRPチャネル受容体の発現変化と機能調節について、Ca2+imaging法を用いて調べる。2) arteminによるTRPチャネルの機能抑制調節について、Patch Clamp法を用いてその分子メカニズムを解析する3) In vivo行動学実験を用いて、GFRα3とTRPA1/TRPV1の関係およびTRP機能抑制に関わる細胞内シグナルを解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費使用については申請書通りに執行する予定である。具体的に試薬類、実験動物、器具類の消耗品は80万円、国際学会参加などの旅費は30万円、データ整理や外国語論文の校閲などに対する謝金は10万円と計上する。前年度からの繰り越しは¥4991円がありましたが、消耗品の購入に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)