2012 Fiscal Year Research-status Report
ペインセンサーTRPA1のチャネル活性抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
23590730
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (20330441)
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Keywords | TRPA1 |
Research Abstract |
本研究は一次知覚ニューロンにおけるTRPチャネル型受容体の機能制御に着目し、その分子メカニズムを解明する。H24年度に以下の研究を行い、artemin、resveratrol、etodolacによるTRPチャネルの機能抑制とその細胞内メカニズムを明らかにした。 1)GFRα3、Ret受容体とTRPA1(蛍光タグ付き)のcDNAのsubcloningを行い、成功した。 2)DRGの初代培養細胞を用いて、artemin, resveratrolによるTRPチャネル機能制御をCa imaging法で検討し、上記薬剤によるcapsaicin, AITCレスポンスの抑制が確認できた。 3)TRPA1を強制発現したHEK細胞を用いて、artemin,resveratrolやetodolacによるTRPチャネルの機能調節の細胞内メカニズムをPatch Clamp法で検討し、cysteine残基のcovalent modificationの関与が明らかにした。 4)In vivo行動学実験でresveratrolやetodolacの、Formalin,Capsaicin, AITCによる痛み行動に対する影響を侵害受容性行動(nocifensive behavior)法で評価し、これら薬剤の鎮痛効果が認められ、In vitroのデータとの統合性が確認でれた。 本年度の成果により、痛みセンサーであるTRPチャネルの刺激応答性が、artemin以外、resveratrol, etodolacなど自然薬品に含まれる成分や、臨床で使用しているNSADs薬品によっても抑制できることが確認され、その共通のメカニズムとして細胞内cysteine残基のcovalent modificationが関与している可能性が示唆された。次年度以降のTRPA1機能抑制の分子・細胞レベルの解析のために重要な実験データが取得できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24年度研究計画の主要内容として、1) GFRα3とRet受容体のcDNAのsubcloningが予定通りに完成し、2) arteminによるTRPチャネル活性抑制の解析(Ca imaging法とPatch Clamp法)を予定通りに実施した以外、resveratrol, etodolacなど薬剤によるTRPチャネルの機能制御機構を調べ、計画以上の成果が得られたと考える。さらに、次年度に予定していたPatch Clamp実験の一部を今年度中に実施することができ、有意義なデータを収集した。今年度の研究により、次年度以降の研究をサポートする重要なデータが取得でき、計画通り本年度の研究を完成したので、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
H24年度の研究成果を元に、H25年度には一次知覚ニューロンにおけるTRPA1の機能抑制メカニズムに関わる細胞内シグナルを詳しく調べ、生体内に存在する抑制と体外介入による抑制の相違と共通点を同定し、ペインセンサーであるTRPチャネルを標的とした鎮痛薬のターゲット分子を突き止める。さらに、慢性疼痛動物モデルを作製し、個体レベルでTRPA1の機能抑制を確認し、In vitroの実験データの検証を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費使用については申請書通りに執行する予定である。具体的に試薬類、実験動物、器具類の消耗品は80万円、国際学会参加などの旅費は30万円、データ整理や外国語論文の校閲などに対する謝金は10万円を計上する。 前年度からの繰り越しは2084円がありましたが、消耗品の購入に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Potentiation of the P2X3 ATP receptor by PAR-2 in rat DRG neurons, through protein kinase-dependent mechanisms, contributes to inflammatory pain2012
Author(s)
Wang S, Dai Y, Kobayashi K, Zhu W, Kogure Y, Yamanaka H, Wan Y, Zhang W, Noguchi K
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Journal Title
Eur J Neurosci.
Volume: 36
Pages: 2293-301
DOI
Peer Reviewed
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