2012 Fiscal Year Research-status Report
徳島県における小・中学生を対象とした防煙教育プログラムの有効性に関する縦断的検証
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23590743
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
奥田 紀久子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60331857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕子 奈良女子大学, 保健管理センター, 教授 (00346305)
近藤 和也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
棟方 百熊 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30284334)
廣原 紀恵 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70516004)
郷木 義子 就実大学, 教育学部, 教授 (90113365)
藤井 智恵子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (30438965)
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Keywords | 防煙教育 / 小学生 / 喫煙防止教育 |
Research Abstract |
本研究は、徳島県の小学生に対して実施している防煙教育の効果を長期的に検証すること、および効果的な防煙教育の介入プログラムの検討を行うことを目的としている。 平成24年度は小学校14校、約1200人を対象に防煙教育を実施した。平成23年度と同様に、徳島県医師会に対して防煙教育の講師派遣依頼があった小学校に、禁煙アドバイザーが出向き、防煙教育を実施した。防煙教育前後にアンケート調査を実施し、前後比較を行った。 平成24年度の研究計画は、小学生に対する防煙教育の実施とアンケート調査が中心であり、中学校への進学後、再度同様の調査を行うための第一段階の調査研究である。 途中経過ではあるが、対象児童の約半数が家族に喫煙者がいると回答しており、家族喫煙者の有無によって教育介入後の成果に差が生じていることが明らかになった。回答者の父親の喫煙率は、全国の同年代の成人男性の喫煙率とほぼ同割合であったが、母親の喫煙率は、同年代女性の喫煙率と比較して、やや高率であった。母親の喫煙行動は児童の喫煙に関する知識や態度、意識への影響が大きく、家族背景を踏まえた教育介入の必要性が示唆されている。また、関連調査では、学校での防煙教育が家族の禁煙効果に結びついていることが明らかになり、現在実施している小学生への防煙教育が、家族の喫煙意識や行動に波及効果を及ぼしている可能性がある。 本研究は、児童と家族を含めた防煙教育の効果を検証できる可能性があり、調査の継続は有意義であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
防煙教育実施は順調に進展している。現在約2000人のデータが得られている。本研究はミニ・コホートの手法を取り入れているが、学校での調査実施時に、識別のための手順がやや煩雑であることから、識別可能な調査結果が十分得られていない。 調査の実施を学級担任に依頼していることから、さらに本調査の重要性を説明することと、識別のための手順の短縮を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の円滑な調査の推進には、対象校の学校長や教諭との連携が重要である。地域的には、公共施設の敷地内完全禁煙化が進んでおり、喫煙防止に対する地域住民の意識の向上が図れていると推測できる。学校での防煙教育が、地域の喫煙率の低下に貢献できることを説明し、小学校サイドの理解と協力を得ることが、本研究の推進につながるものと考えている。 平成25年度以降は、本研究の基幹部分である、長期的な効果の調査を実施する予定であり、対象の中学校との連携がさらに重要である。現在までの研究成果を提示し、理解を求めることで、防煙教育を推進させたい。 また、同様の教育介入を行っている教育者や指導者、研究者との情報交換や、その研究結果を参考とし、効果的な介入方法の検討と実施、及び効果の検証に取り組む予定である。さらに、本研究の現時点での成果を公表し、関係機関や関係者への啓発活動にも取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費のうち、100,000円は調査継続のための、質問紙調査票および追加パンフレットの作成費用に充当する。また、150,000円は調査結果の公表や情報交換のための旅費、およびその他の残金はデータ入力のための人件費に充当する予定である。 平成24年度の繰越金は、印刷用インクカートリッジ等の消耗品に充当する予定である。
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Research Products
(12 results)