2013 Fiscal Year Annual Research Report
法医剖検脳における脳機能評価法の開発に向けた基礎的研究
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23590851
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西村 明儒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60283561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 逸夫 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30116842)
石上 安希子 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60359916)
主田 英之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90335448)
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Keywords | dementia / schizophrenia / hippocampus / lectin / erythropoietin receptor / NOS / N-Cadherin / chondroitin sulfate |
Research Abstract |
今年度は、昨年度、複数の生理活性物質の発現を検討した中で、高い相関性の得られたものについて蛍光多重染色を行い、球状沈着物内での共染性を検討した。昨年度用いた法医剖検例79例の中で、球状沈着物が多く検出された11例(男性7例、女性4例、67.2±17.7歳)を用いた。NOS、EAAC1、α-Synuclein,N-Cadherin、Apo E 、YKL39、リン酸化タウ、GFAP、Vimentin、S-100蛋白、Erythropoietin receptor (Epo R),Condroitin sulfate (CS)、5-LG、HSP70等に対する抗体を用いて蛍光多重染色を行い、共焦点レーザー顕微鏡(Leica TCS NT)で観察した。 以下の結果が得られた。①Epo Rは、NOS、CS、Apo Eと共存していた。神経の変性に反応してアストロサイトが保護作用を発揮していると考えられた。②NOSは、N-Cad、Apo E、5-LGと共存していた。これらは神経変性を促進し、認知症の神経変性に関係していると考えられた。③NOS周囲をGFAPが取り囲むように発現している例が多く、ニューロンとともにアストロサイトが変性した結果と思われた。④HSP70は、Apo E、Tau、Vim、CSと共存していた。HSP70は、ストレス応答性で、神経変性のみならずグリアの変性にも関連していると示唆された。⑤CSは、NOS、Apo E、HSP70と共存していた。CSは、神経変性作用を持ち、これらとの相乗効果で神経変性を促進すると共にアストロサイトの細胞死も誘導すると思われた。⑥N-Cadは、YKL39、EAAC1との共存していた。神経変性はシナプス部から生じる可能性が示唆された。⑦アミロイド小体にApo E、Tau、CS、HSP70が発現していた。本球状沈着物との間に何らかの関係が示唆された。
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Research Products
(1 results)