2011 Fiscal Year Research-status Report
胃癌の発生におけるのEBV感染とAID発現の関与について
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23590918
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西川 潤 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00379950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小賀 厚徳 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90243633)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Epstein-Barr virus / 残胃癌 / AID |
Research Abstract |
(平成23年度)1EBV関連胃癌におけるAIDの発現について(1)EBV関連胃癌におけるAID遺伝子の発現(2)残胃の癌におけるEBV感染とAIDの発現について残胃の癌を抽出し、EBV感染の有無についての検討を行った。狭義の残胃癌である、初回手術が良性疾患のために行われた後の残胃に発生した癌では、17例中10例にEBV感染が認められ、約40%と非常に効率であった。近年は胃潰瘍・十二指腸潰瘍などの良性疾患によって外科的切除を行う症例は非常に少ないことが明らかとなったため、初回の手術が早期胃癌のために行われ、治癒切除が得られて、5年以上経過した残胃についても適応症例の幅を広げる必要性があると考えられた。また、胃癌術後の再建様式もBillroth-IIからBilloth-Iでの吻合に偏っており、Billroth-II再建の症例を抽出するのはやや困難になってきている。本年度、残胃の癌におけるHelicobacter pylori感染の有無についての免疫染色を開始した。Billroth-II再建の残胃では長期間経過するとH. pyloriの抗体が検出されなくなるとの報告もあり、残胃の癌の発生にはH.pyloriよりもEBVの関与がおおきい可能性が示唆される。EBV関連胃癌のスクリーニングについては、残胃癌のみならず、通常胃癌にも広げて検討しており、AID発現との関連を検討する予定である。AIDの染色について、条件検討の段階である。市販の抗体の反応が良くない場合は、京都大学などのAIDに関する研究の先駆的施設から抗体の供与を受けるつもりである。次年度は、EBV H.pylori,AIDの相互的な関係を明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度はin vivoのEBV陽性胃癌、残胃癌とAID発現の関連を検討する予定であった。EBV関連胃癌のスクリーニングは研究分担者により順調に進んでおり、H.pylori感染についても免疫染色で検討が終了しつつある。AIDの免疫染色の部分が条件検討中であり、条件が決定しだい、in vivoのサンプルを対象にした検討をまとめたい。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度に施行予定であったin vivoのサンプルを用いた、EBV陽性胃癌、残胃癌におけるAIDの発現について、免疫染色で検討することを第一に行う。これにより、EBV陽性胃癌や残胃癌の発赤におけるAIDの重要性を証明したい。その後に下記に示すようなin vitroのEBV陽性胃癌細胞株を用いた検討に入りたいと考えている。本検討により、EBV陽性胃癌発生のメカニズムを証明することができればと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(平成24年度以降)1)EBV感染によるAIDの発現を増強について2)EBV関連胃癌において、AIDにより変異を受ける遺伝子の探索本年度からは、in vivoの結果を受けて、in vitroの検討に入りたいと考えている。細胞株は用意されており、次年度の研究費には培養や遺伝子発現に関する試薬などを計上している。最終的にはAIDにより変異を受けている遺伝子の検索を行いたいと考えている。未使用額が生じた理由は、AIDの発現の確認が遅れたためであり、今年度のはじめにこの検討1)を行い、上記の課題2)を追加する予定である。
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