2011 Fiscal Year Research-status Report
ヘパリンコファクターIIを用いた心筋梗塞後心臓リモデリングに対する新規治療法の開発
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23591046
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩瀬 俊 徳島大学, 大学病院, 助教 (10403718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 政隆 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80345214)
原田 雅史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
粟飯原 賢一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70372711)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 心臓リモデリング |
Research Abstract |
平成23年度において急性心筋梗塞後心臓リモデリングとヘパリンコファクターIIとの関係について検討するため、(1)急性心筋梗塞で入院し再灌流療法を実施した症例を対象にした心臓MRI検査による各種心機能指標の解析、(2)急性心筋梗塞症例における血漿ヘパリンコファクターII活性の予備的検討を行った。具体的には急性心筋梗塞に対して急性期再灌流療法を行った18症例に対して急性心筋梗塞急性期(発症後1週間以内)および慢性期(6ヶ月後)に心臓MRIを実施し、各種心臓リモデリング指標の計測を行った。ガドリニウム遅延造影は18症例中17症例に対して行い、全例で陽性所見を認めた。7症例では出血性梗塞、3症例でmicrovascular obstruction(MVO)所見を認めた。出血性梗塞症例と非出血性梗塞症例における臨床背景および心機能指標を比較したところ、出血性梗塞症例は有意にpeak CKが高値を示した。一方、左室拡張末期容積や左室駆出率に関しては両群間に有意差は認めなかった。現時点で11症例において6ヶ月後にも心臓MRI検査を行い左室拡張末期容積、左室駆出率などの心機能指標の推移を検討した。11例全体では左室拡張末期容積は減少傾向を示し、左室駆出率は不変であった。個々の症例での検討では11症例中3例で左室拡張末期容積は増大し、4例で左室駆出率の低下を認めた。また7症例に対して心筋梗塞発症超急性期から発症1週間までの血漿ヘパリンコファクターII活性の変動を計測した。7例の血漿ヘパリンコファクターII活性は平均99%(84.66~119.56%)で発症1週間までで明らかな活性値の変動は認めなかった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
急性心筋梗塞後心臓リモデリングとヘパリンコファクターIIとの関係に関する臨床的検討のはすでに着手し、多数例への検討に移行している。一方、動物心筋梗塞モデルを用いた基礎的検討に関しては、現時点では予備的な検討にとどまってる。平成24年度より本格的な検討を行う予定であり、当初の予定から遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
急性心筋梗塞後心臓リモデリング進行症例を対象にリモデリング進行の規定因子を血漿ヘパリンコファクターII活性との関わりをさらに多数例で検討する。動物心筋梗塞モデルを用いた基礎的検討を勧めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血漿ヘパリンコファクターII活性の測定並びに各種心筋梗塞に関わるバイオマーカーの触低を行う。更には本研究で収集した臨床データに基づき、急性心筋梗塞後心臓リモデリングの規定因子の解析を行う。なお平成23年度において繰越が生じた。繰越の研究費も併せて、統計解析や各種バイオマーカー測定に使用する予定である。 基礎的検討としてはラット心筋梗塞モデルを用いたヘパリンコファクターIIの抗心筋リモデリング抑制作用に関する検討を行う。
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Research Products
(23 results)