2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘパリンコファクターIIを用いた心筋梗塞後心臓リモデリングに対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
23591046
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩瀬 俊 徳島大学, 大学病院, 助教 (10403718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 政隆 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80345214)
原田 雅史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
粟飯原 賢一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70372711)
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Keywords | 心臓リモデリング / ヘパリンコファクターII |
Research Abstract |
平成24年度は平成23年度に引き続き急性心筋梗塞後心臓リモデリングとヘパリンコファクターIIとの関係について検討するため、①急性心筋梗塞で入院し再灌流療法を実施した症例を対象にした心臓MRI検査による各種心機能指標の解析、②急性心筋梗塞症例における血漿ヘパリンコファクターII活性の検討を行った。 ①急性心筋梗塞で入院し再灌流療法を実施した症例を対象にした心臓MRI検査による各種心機能指標の解析 具体的には急性心筋梗塞に対して急性期再灌流療法を行った25症例に対して急性心筋梗塞急性期(発症後1週間以内)および慢性期(約6ヶ月後)に心臓MRIを実施し、各種心臓リモデリング指標の計測を行った。急性期の左室駆出率は38%と低下を認めた。ガドリニウム遅延造影は造影検査施行例全例で陽性を呈した。ガドリニウム遅延造影陽性に加え出血性梗塞、microvascular obstruction(MVO)の所見を高率に認めた。出血性梗塞症例と非出血性梗塞症例における臨床背景および心機能指標を比較したところ、出血性梗塞症例は有意にpeak CKが高値を示した。現時点で15症例において慢性期の心臓MRI検査撮像を完了している。今後はリモデリングの頻度やMRI所見および血漿ヘパリンコファクターII活性の関係について検討を行う。 ②急性心筋梗塞症例における血漿ヘパリンコファクターII活性の検討 急性心筋梗塞25症例(平均年齢57歳、女性 2例)を対象に血漿ヘパリンコファクターII(HCII)活性の測定を行った。25症例のHCII活性は平均110%(71.08~147.2%)であり、年齢とHCII活性の間に優位な相関関係は認めなかった。心筋梗塞発症当日と約7日後の比較ではHCII活性に差は認めなかった。しかし心筋梗塞発症後に血漿ヘパリンコファクターII活性が低下する症例と、増加する症例が存在した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
急性心筋梗塞後心臓リモデリングとヘパリンコファクターIIにとの関係に関する臨床的検討は行っている。ただし研究前の予想より徳島大学病院における急性心筋梗塞症例数が少なく、左室リモデリングの変動とヘパリンコファクターII活性との関わりを証明するに十分な症例数に到達していない。今年度も引き続き、臨床的側面から急性心筋梗塞後心臓リモデリングに及ぼすヘパリンコファクターIIの影響について検討を行う予定。
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Strategy for Future Research Activity |
急性心筋梗塞発症時に認めた血漿ヘパリンコファクターII活性の変動が臨床的意義を有するかをより多数の症例で検討する。また心筋梗塞以外の循環器疾患における血漿ヘパリンコファクターII活性と急性心筋梗塞症例との違いについても検討する。 一方、動物実験モデルに関する検討についてはヘパリンコファクターII補充のタイミングを含め、臨床に即した実験計画の見直しが必要と考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き血漿ヘパリンコファクターII活性および心筋梗塞に関わるバイオマーカー測定に用いる。加えて研究実績の公開に向けた準備に用いる予定。
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Research Products
(13 results)