2011 Fiscal Year Research-status Report
腎虚血再灌流障害におけるギャップ結合を介した細胞間コミュニケーションの役割
Project/Area Number |
23591187
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
姚 建 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (50303128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 正敬 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (90333062)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 病理学 / 腎臓 / 炎症 / 細胞死 / ギャップ結合 / 虚血 / 酸化ストレス / connexin43 |
Research Abstract |
虚血障害に続発する急性腎不全は、医学療法が飛躍的に進歩したにもかかわらず、死亡率および罹病率があいかわらず高いままであり、臨床上の大きな問題となっている。腎虚血再灌流障害の病態には、様々なメディエーターや接着分子を介した複雑な細胞間相互作用が寄与することが知られている。しかし、隣接する細胞間でシグナル分子の直接的な遣り取りを司るギャップ結合の腎組織障害における役割は、まだ十分に解明されていない。本研究の目的は腎虚血再灌流による急性尿細管懐死発症におけるギャップ結合の役割を解析する事である。そのために、Cx43野生型(Cx43+/+)とCx43ヘテロマウス(Cx43+/-)を用いて虚血再潅流モデルを作製し、腎機能と酸化的障害に関する検討を行った。生後10~12週齢のCx43野生型とヘテロマウスから右腎摘出後、左腎を45分間クリップして虚血とした。再潅流後24時間の時点で血液クレアチニン値及び腎臓組織P38のリン酸化レベルを測定したところ、Cx43ヘテロマウス群では野生型群と比べて有意に減少していた。再潅流後1週間内の生存率の比較では、Cx43野生型群に比し、ヘテロで生存率が高くより生き延びた。また培養尿細管細胞モデルにおいて、機能的なキャップ結合が存在することをdye transfer assayを用いて示した。さらに、ギャップ結合蛋白であるCx43が存在することを特異的な抗体を用いた蛍光抗体法及びウエスタンブロッテイグ法を用いて明らかにした。以上の結果から、ギャップ結合は腎虚血再灌流による急性尿細管懐死発症に深く関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通り進んでいる。今の結果から、ギャップ結合は腎虚血再灌流による急性尿細管懐死発症に深く関わることが強く示唆されている。
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Strategy for Future Research Activity |
後の研究の推進方策: 1)腎尿細管細胞死及び炎症反応におけるギャップ結合を介した細胞間コミュニケーションの役割;2)腎虚血再灌流障害におけるギャップ結合を介した細胞間情報伝達系の解析;3)ギャップ結合を標的とした治療薬の開発。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬品 (抗体、siRNA; RT-PCR kit, 化学薬品など) 450,000円; 実験用動物 200,000円; 培養用品 200,000円; グラス器具及び動物手術用品 150,000円; 学会参加費: 100,000円; その他(論文印刷費、掲載費)100,000円; 累計: 1,200,000円
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