2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591260
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
村上 龍文 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂田 芳秀 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00240713)
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Keywords | 糖尿病性多発神経炎 / 神経再生治療 |
Research Abstract |
VEGFやPlGF2は感覚神経培養細胞ではNP-1を介してプロスタグランジン2(PGE2)を増加させ神経再生に関与していることが示唆されている。そこで糖尿病神経障害モデルマウスの坐骨神経におけるPGE2含量を経時的に検討した。坐骨神経でのPGE2含量はSTZ投与2週後のDM群は正常マウス群と有意差はなかったが、投与6週後のDM群では1.0 ± 0.4 pg/μg tissue protein (n = 6)、正常マウス群では2.0 ± 0.8 pg/μg tissue protein (n = 6)となり、DM群において有意な減少を認めた。痛覚鈍麻を有する糖尿病神経障害モデルマウス末梢神経でのPGE2含量の低下は初めての知見である。VEGFやPlGF2はこのマウス (in vivo) でもNP-1を介してPGE2を増加させ神経を再生させ痛覚鈍麻を改善させている可能性が示唆された。 In vitroではVEGFやPlGF2は、NP-1, NP-2受容体において、SEMA分子と競合している。そこで痛覚鈍麻を有する糖尿病神経障害モデルマウスと正常マウスの坐骨神経からmRNAを抽出し、6種のSEMA遺伝子発現レベルについてリアルタイムPCR法で調べた。今回検討した結果ではいずれの遺伝子発現も統計学的に有意な変化は認められなかったが、SEMA3AとSEMA3Fは上昇傾向が認められた。またSEMA分子の受容体であるNP-1, NP-2は正常マウス群に比し発現レベルに有意差は認められなかった。VEGFやPlGF2の神経再生機序として、坐骨神経でのSEMA分子阻害による可能性は完全には否定できないと思われる。
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