2012 Fiscal Year Research-status Report
新しい表面筋電図定量解析法、CI法の開発と臨床応用
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23591285
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 教授 (40231386)
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Keywords | 筋電図定量解析 / 表面筋電図 / 針筋電図 / MUNE |
Research Abstract |
1)データ収集続行:連携研究者上杉、東原、研究代表者、その他の連携研究者・研究協力者が協力して、CI法でのデータ収集を続行した。また、針筋電図やMUNEとの比較のための、これらの検査のデータも同時に記録した 2)CI法の最適な設定の検討:前脛骨筋におけるCI法における最適なwindow幅を求めるために、過去の全データを様々なwindow幅を用いて検討した結果、17.5 ms幅において最大の感度特異度が得られることを見出し、これを爾後の標準とした。 3)MUNEについての検討:CI法の比較対象となるMUNEについて、より適切な定量解析方法を考案するための研究を行った。特に、遠隔電場電位(FFP)のMUNEに与える影響についての詳細な検討を行った。ひとつは以前に球脊髄性筋萎縮症(SBMA)患者のADMにおいて、CI法、MUNE、CMAP振幅の3つのパラメータを比較した時に得られたデータのうちの、MUNEについては近位基準電極を用いた3チャンネル記録を行っていたので、これを元に各surface MUP(SMUP)の起源を同定した。また、健常者について新たに複数チャンネルでのMUNEを施行し、SMUPの起源を同定した。これらから、小指球のMUNEで記録されるSMUPの起源の大半は小指外転筋(ADM)以外の筋であり、その事実はMUNEの結果に大きく影響してMUNEの信頼性を低下させている事実を見出した。 4)結果の学会ならびに論文発表:以上の成果、及びその他の関連する研究の成果について、2012年6月のイスタンブールでのSFEMG学会、10月のオーランドでのアメリカ神経筋電気診断学会などの国内・国際学会において発表し、また複数の論文発表、投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績に書いたように、最初の結果を発表した前脛骨筋でのCI法について、最適なwindow幅を求めるという、膨大な作業を伴う大きな課題がクリアされた。 また、MUNEについても膨大なデータの解析によって、結論を得ることができた。 また、小児におけるCIは大きな課題であるが、これについて神経センター小児神経科と共同研究することが決定し、現在倫理申請の審査を待っている段階である。次年度の研究推進についての最大の準備が整ったものと考えている。 2012年度中も7編の当該研究・関連研究についての英文論文の掲載・採択を実現し、現在も複数論文を執筆投稿中である。以上より、順調に本研究は進展しているものと自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
1)データ収集:研究代表者、各連携研究者協力して、健常者、神経原性・筋原性疾患患者のデータ収集を続行する。 2)小児におけるCI法の検討(連携研究者東原、連携研究者神経センター小児神経科石山、研究代表者):小児例において、前脛骨筋表面筋電図を記録し、重要な応用分野である、小児での神経筋疾患の非侵襲的評価が可能かどうかを検討する。 3)針筋電図・MUNEとCI法の比較:針筋電図やMUNEとCI法の感度を比較する研究を行う。 4)学会ならびに論文発表:以上の結果について、2013年9月のウィーンでの世界神経学会、10月のテキサス州サンアントニオでのアメリカ神経筋電気診断学会などを含む、適切な国内・国際学会において発表し、また論文発表を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費:データ解析専用のコンピュータ、同周辺機器、ストレージなどの消耗品、論文別刷りなどを購入する。 旅費:当該研究・関連研究を発表する国際・国内学会旅費を支出する。 その他:国際・国内学会登録費、英文校正費などを支出する。
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Research Products
(15 results)