2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病が頸動脈硬化や脳卒中病態、血栓溶解治療に及ぼす影響(脳腎連関)の評価
Project/Area Number |
23591288
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
豊田 一則 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 部門長 (50275450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 喜弘 独立行政法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (20393217)
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Keywords | 脳血管障害 / 脳出血 / 脳梗塞 / 慢性腎臓病 / 脳腎連関 |
Research Abstract |
(1) 急性期脳出血患者における腎機能障害の転帰への影響:当施設を含めた国内10施設で、発症3時間以内の脳出血患者203例を登録した。入院時血中クレアチニン値から推算した糸球体濾過率(estimated glomerular filtration rate: eGFR)によってA(eGFR <60 ml/分/m^2、37例、女性16例、75 ± 13歳)、B(eGFR 60~89 ml/分/m^2、99例、女性34例、65 ± 11歳)、C(eGFR >90 ml/分/m^2、67例、女性30例、61 ± 9歳)の3群に分け、3か月後までの患者転帰の関連を調べた。発症後72時間以内の神経症候進行(各々14%, 6%, 6%)や初回CT撮影後24時間以内の血腫拡大(16%, 14%, 18%)に有意な群間差を認めなかった。多変量解析にて、A群は他2群に比べて3か月後転帰良好(modified Rankin Scale 0-2:オッズ比 0.21, 95% CI 0.07-0.54)が有意に少なく、転帰不良(同5-6:オッズ比5.87, 95% CI 1.87-19.34)が有意に少なかった。腎機能障害と脳出血転帰との関連が明らかになった。 (2) 3年間の研究成果に基づき、脳血管障害と慢性腎臓病(chronic kidney disease: CKD)との関連を、九州大学二宮利治教授と共著で総説に纏めた。「CKD患者の脳卒中発症リスク」、「脳腎連関の機序」、「無症候性脳血管障害へのCKDの関与」、「認知機能へのCKDの関与」、「CKD患者の脳卒中の特徴」、「CKD患者の脳卒中治療法」、「透析患者の脳血管障害」の7つの課題を解説した。2014年のLancet Neurology誌に掲載予定である。
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Research Products
(14 results)