2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591480
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中村 敦 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40285200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 秀章 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30418868)
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Keywords | Clostridium difficile / 抗菌薬関連腸炎 / タイピング / 地域ネットワーク |
Research Abstract |
Clostridium difficile感染症(Clostridium difficile infection:CDI)は診断・治療が確立されておらず臨床的課題が残されている.また抗菌薬使用の適正化と水平伝播防止という院内感染管理の面でも重要なテーマである.本研究の目的は,CDIの適正な診断,治療を遂行する上で重要となる菌の病原性と臨床像を明らかにし,これらを踏まえた感染管理を確立することである. H24年度は当院におけるCDIの臨床情報の収集と,菌株の毒素産生性およびタイピングの検索を予定し,CDIの臨床像の収集およびCdifficile 臨床分離株46菌株について毒素産生性について,コロニーから直接釣菌しC.DIFF QUIK CHEKコンプリートを用いた毒素検出と菌液を用いたRT-PCR法による毒素遺伝子検索を行った。 その結果,19株(41%)がC.DIFF QUIK CHEKコンプリートで毒素陽性を示し,33株(72%)が毒素遺伝子が陽性を示した.Binary toxin遺伝子が陽性を示す株はみられなかった.臨床的にもそれを疑う重症例はみられなかった. H24年度はタイピングと型別による臨床像の比較検討は行い得ず,次年度に検討をおこなうこととした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
H24年度には毒素産生性とともにタイピングを進める予定であったが,複数の研究協力者の体調不良などにより,計画通り進まなかった. 他施設との連携についても,H24年度から開始された地域連携加算にともなうネットワーク構築を優先した.H25年度はこれに基づくCDIネットワークの構築を目指す.
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Strategy for Future Research Activity |
菌株の薬剤感受性検索とタイピングを進め,菌の型別による臨床像の相違を検討し,診断・治療法,感染防止対策に関する指針の確立を目指す. また他の医療施設におけるCDIの臨床像と菌株についても検討して,地域としてのCDIの情報収集,共有化を図る.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
C.difficileの菌株解析,薬剤感受性検査にかかる諸経費,他施設とのネットワーク構築に係わる人件費,謝金,施設利用費ならびに研修,成績報告のための出張旅費に当てる.
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Research Products
(6 results)