2011 Fiscal Year Research-status Report
包埋後染色免疫電顕法を用いた尋常性天疱瘡水疱形成機序の解明
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23591629
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
石河 晃 東邦大学, 医学部, 教授 (10202988)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 電子顕微鏡 / 水疱症 / 自己免疫 / デスモグレイン |
Research Abstract |
尋常性天疱瘡の水疱発症機序は各説提唱されているが、培養細胞やモデルマウスなど実験系ごとに異なる機序が推察されており、ヒト天疱瘡の水疱形成機序は未解決の問題である。近年開発された水疱形成能を有するヒト抗デスモグレイン3(dsg3)モノクローナル抗体とヒト皮膚を用いた形態学的手法により尋常性天疱瘡の水疱形成機序を詳細に解析することが本研究の目的である。具体的には包埋後染色免疫電顕法により病原エピトープを正常ヒト皮膚上に電顕レベルでマッピングすること、ヒト皮膚の器官培養系を用いて抗体結合から水疱形成、デスモソーム消失までの形態および分子構造変化を経時的に明らかにする。23年度はまず、凍結固定凍結置換を用いたヒト皮膚を用いてデスモソームにおけるモノクローナル抗体の結合部位を同定し、統計解析によりエピトープをマッピングする計画であった。実際、免疫電顕用正常ヒト皮膚ブロックを用いて金コロイド免疫電顕法を施行したところ、ラベリングが非常に少なく、染色条件を様々に変えてみたものの解析に適する画像が得られなかった。新鮮正常ヒト皮膚を採取し、器官培養を行い培養液中に抗体を入れin vivoでのラベリングを試みる予定であるが、ヒト皮膚の入手可能日と実験可能日が一致せず、実現できていない状況にある。打開策として、平成24年度は今回のモノクローナル抗体作成者であり、天疱瘡研究者である石井健氏を当施設の准教授として迎えることとなっており、また、大学院生の入学もあり24年度は計画が速やかに進行することが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新規赴任した施設に於いては研究を補助する人員がなく、また、臨床実務が予想外に多忙であったことから限られた時間の中で限られたことしかできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の如く、天疱瘡研究者として第一線にいる石井健氏を当施設の准教授として迎え、研究推進の手助けをしていただくことが決定している。また、大学院生が1名、新規入学し、研究を推進する体制が整いつつある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
人手不足により使用しなかった消耗品費が繰り越されたが、次年度は後れをとりもどすことが可能と思われ、それに繰越金はそのまま消耗品として使用する予定である。交付申請書の通り、電顕・免疫組織化学用試薬、各種抗体、液体窒素などの消耗品費、成果発表のための旅費などに使用する。
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