2011 Fiscal Year Research-status Report
接触過敏反応におけるインターロイキン33とその受容体の関与についての検討
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23591652
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
小宮根 真弓 自治医科大学, 医学部, 准教授 (00282632)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 表皮細胞 / ケモカイン / IL-33 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
今年度は主に培養表皮角化細胞からのIL-33産生機序と、マウスにおける接触過敏反応における可溶性ST2の役割について検討した。UVB照射により、表皮細胞においてIL-33の産生が誘導され、この誘導はEGF受容体、ERK、p38依存的であった。また、表皮細胞をIFNγで刺激することによりIL-33産生が誘導され、これはEGF受容体、ERK、p38、JAK依存的であったが、NFκBには依存していなかった。表皮細胞をIFNγと同時にTNFαで刺激することにより、IL-33のプロセッシングが促進され、これはCaspaseではなくCalpainに依存的であった。表皮細胞をmature IL-33で刺激することによりIL-8産生が誘導されたが、表皮細胞のIL-33をノックダウンすることにより、TNFによるIL-8産生は抑制された。以上より、表皮細胞におけるIL-33産生はUVB照射、IFNγ刺激により誘導され、TNF添加によりCalpain依存的なプロセッシングが促進されることが明らかとなった。またIL-33はサイトカインとしては炎症促進的に働くが、細胞内では炎症抑制的に作用することが示唆された。 また、表皮細胞をはじめとする各種細胞においてIL-33のSplice variantが少なくとも7種発現していることを示し、細胞種により各Variantの発現パターンが異なることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
培養表皮細胞を使用した実験は予定以上に順調に進み、すでにIL-33に関連して3報の論文が英文誌にアクセプトされている(Meephansan J et al. J Dermatol Sci, Meephansan J et al. J Invest Dermatol, Tsuda H et al. J Invest Dermatol)。 一方マウスを使用した実験では、結果にばらつきが大きくやや遅れており、いまだ確定的な結果が得られていない。マウスの刺激方法やサンプル採取の方法について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスを使用したin vitroの実験系で、炎症性皮膚疾患におけるIL-33の役割およびその受容体であるST2Lと可溶性ST2の役割について検討を加えたいと考えている。具体的には、IL-33ノックアウトマウスと可溶性ST2トランスジェニックマウスにおいて、接触過敏反応、乾癬皮疹誘発モデル、アトピー性皮膚炎モデル、創傷治癒モデルを応用した実験を行い、皮膚疾患におけるIL-33およびST2の役割について検討を加える予定である。 また、培養表皮細胞を用いた検討も引き続き行う。各splice variantの作用について検討を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度と同じく、主に実験に用いる消耗品に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)