2011 Fiscal Year Research-status Report
認知機能と機能画像を指標とした強迫性障害の治療戦略に関する研究
Project/Area Number |
23591709
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
住谷 さつき 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90346594)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20228654)
友竹 正人 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50294682)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 強迫性障害 / 認知機能 / MRS / NIRS / Stroop Test / グルタミン酸 / GABA / 脳血流 |
Research Abstract |
強迫性障害(OCD)患者の治療反応性や薬物応答性の違いに関する生物学的予測因子となりうる客観的指標を探索することを目的に研究を行っている。OCDの障害部位として基底核と前頭葉の機能不全に着目し、認知機能検査と二種類の機能画像、1H-MRSと多チャンネル近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)を組み合わせた新しい手法を用いた研究を行った。平成23年度はこれまで蓄積してきたOCD患者の高磁場MR装置を用いた1H-MRSデータをさらに増やすとともに、年齢性別を一致させた健常対照者の撮像を行った。これまでにOCD患者では左基底核と前部帯状回にボクセルをおく方法で26人分のデータが得られていたが、左右基底核にボクセルを置く方法で44人分、合計70人の撮像をすることができた。健常対照者について左右基底核にボクセルをおく方法で36人の撮像を行った。MRSの撮像方法は通常のSTEAM法を用いたN-アセチルアスパラギン酸(NAA)、コリン含有物質 (Cho)、クレアチン/クレアチンリン酸(Cr)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸 (Glu),、ミオイノシトール(mI)の定量に加えて、MEGA-PRESS法を用いてGABAの定量も行った。今後OCD患者の認知機能検査結果との関係を解析する予定である。また、1H-MRS研究と並行して撮像した30人のOCD患者と年齢性別を一致させた健常対照者のMRIデータは、VBM解析を行い有意な結果が得られたので、次年度に国際学会で発表する予定である。また日本語版Stroop Testを施行し、課題施行中の前頭葉の血行動態の変化を多チャンネルNIRS装置を用いて定量して解析した。課題の難易度と血流の関係について平成23年6月にプラハで開催された10th World Conbress of Biological Psychiatryで成果発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
OCD患者群、健常対象者ともに基底核を標的としたMRSの撮像を行い脳内代謝物質のデータを集めることができた。今後は他の要因を調べて解析をする段階になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
基底核機能に続いて前頭葉機能の評価を行うために、OCD患者と健常対象者の認知機能課題施行中の前頭葉の血行動態の変化を多チャンネルNIRS装置を用いて定量しているが、サンプル数を増やして解析を進めるとともに、画像データと治療反応性や認知機能障害との関連を進めたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
多チャンネルNIRSと1HーMRSの撮像、解析に関する研究協力に対する謝金と記録用の電子媒体などの消耗品の購入。また、245,477円の繰越金は平成24年3月分の謝金等に充てる。
|
Research Products
(11 results)