• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

21世紀の統合失調症の発症危険率や精神医学的臨床症状の変化に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 23591715
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

中根 秀之  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90274795)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 田中 悟郎  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00253691)
木下 裕久  長崎大学, 大学病院, 講師 (10380883)
一ノ瀬 仁志  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60404216)
Keywords精神医学 / 統合失調症 / 疫学研究 / 発症
Research Abstract

統合失調症の発生率は,わが国ではWHOのDOSMeD研究として長崎市で実施され,年間発生率人口万対1,広義の基準では2という値が報告されているが,実際,早期支援・医療サービスの量を規定する精神病新規発症率のデータはなく,今後の早期支援・医療サービスを確立していくために必須である.
平成23年8月1日から平成24年7月31日までの12ヶ月間の調査期間において,CFNからの情報総数は131例であった.情報総数131例の内,面接実施29例,対象外53例,調査拒否13例,面接実施可否確認中31例,面接実施予定者4例,面接実施後に登録拒否1例であった.面接による該当症例対象者における年代別の内訳は10歳代4例,20歳代4例,30歳代4例,40歳代5例,50歳代4例,60歳代3例であった.対象者の男女比は8:17で女性の方が多かった.情報提供先CFNの構成では、131施設中78施設(59.5%)が精神科病院、53施設(40.4%)が精神科クリニックであった。また治療状況は、外来99例(75.5%)、入院32例(24.4%)であった.面接実施29例中,閾値上精神病発症は25例,閾値下精神病1例,地域対象外2例であった.
面接による該当症例対象者における年代別の内訳は10歳代4例,20歳代4例,30歳代4例,40歳代5例,50歳代4例,60歳代3例であった.対象者の男女比は8:17で女性の方が多かった.治療状況については,入院症例9例,外来症例16例と外来症例の方が多かった.
研究登録された対象者25例について,精神科未治療期間(DUP)は平均値1278日,中央値49日であった.また,長崎市(人口441,706人うち64歳まで330,705人)における年間新規発症率を推計すると,人口1万人に0.76人であった.これは,先行研究と比較し低い値であると言えるが,今後より詳細な解析が必要である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

関係医療機関(CFN)の協力により,現時点まで順調に対象者の情報が集約され,調査の実施に至っている.対象者の精神病症状について正確な情報を得るためには病勢極期または治療効果発現前に調査を実施することが適当であると考えている.しかしながら,未治療期間が長期であったり,治療しないと調査面接実施が困難な病状であったり,また,昨今の外来医療の普及等により再診日時が限定的であったり等の事情により,病勢極期または治療効果発現前に調査を実施することは現実的に困難であるケースが多いことが問題点である.

Strategy for Future Research Activity

対象者の精神病症状について正確な情報を得るためには病勢極期または治療効果発現前に調査を実施することが適当であると考えている.しかしながら,未治療期間が長期であったり,治療しないと調査面接実施が困難な病状であったり,また,昨今の外来医療の普及等により再診日時が限定的であったり等の事情により,病勢極期または治療効果発現前に調査を実施することは現実的に困難であるケースが多い.このような問題点を踏まえ,家族や担当医師,診療録等から収集して慎重に評価を実施することが重要であると考えている.
今後も疫学的調査研究は実施を継続し,より正確な統合失調症の発症率について明らかにする.ただし,上記の問題点を抱えるため補完的調査研究の実施を検討することが必要となっている.特に,重篤な精神症状や,不同意等の症例や、関係医療機関(CFN)での情報の洩れなどを少なくするため,カルテによる補完調査を計画する.また、国内・国際学会において報告を行い,多くの研究者とのディスカッションを深め,研究の方向性について確認しつつ進めていく.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究実施・継続にあたって,CFNをはじめとした関係医療機関との通信費,コーディネーターの人件費,協力者に対する謝礼,消耗品が研究関連費用の主な支出となる.また中間報告として学会等での発表を行い,研究者とのディスカッションを通じて,研究の方向性について確認しつつ進めることを行うため、旅費としての支出も含まれる.

  • Research Products

    (3 results)

All 2012

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 社会精神医学と精神科診断2012

    • Author(s)
      中根允文、中根秀之
    • Journal Title

      臨床精神医学

      Volume: 41 Pages: 491-497

  • [Journal Article] Study of understanding the internalized stigma of schizophrenia in psychiatric nurses in Japan.2012

    • Author(s)
      Hanzawa S,Nosaki A,Yatabe K,Nagai Y,Tanaka G,Nakane H,Nakane Y
    • Journal Title

      Psychiatry and Clinical Neurosciences

      Volume: 66 Pages: 113-120

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 統合失調症の疫学 -発生率と受診行動から支援を考える-2012

    • Author(s)
      中根秀之
    • Organizer
      第108回日本精神神経学会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20120524-20120526

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi