2011 Fiscal Year Research-status Report
NIRSを用いたうつ病復職支援プログラムにおける精神生理学的評価の有用性
Project/Area Number |
23591734
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
小路 純央 久留米大学, 医学部, 講師 (50343695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜一郎 久留米大学, 付置研究所, 教授 (20140642)
柳本 寛子 久留米大学, 医学部, 助教 (00441676)
内村 直尚 久留米大学, 医学部, 教授 (10248411)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | うつ病 / 復職支援 / NIRS |
Research Abstract |
今回の助成をもとに、久留米大学病院デイケアセンター内において、うつ病患者に対して現在うつ病リワーク研究会等で行われている心理教育(IMR:Illness Management and Recovery)、認知行動集団療法、作業療法(クラフト作業)、軽スポーツの運動療法を組み合わせた包括的復職支援プログラムを毎週火曜日、木曜日の週2回、3ヶ月間を1クールとして実施している。 その評価として、患者背景、性格検査(田中ビネー検査)、精神症状としてBDI-II、HAM-D、QID-S、Global Assessment Function(GAF)、QOLとしてQOL-26(WHO)、SASS、職業準備性評価として、標準化評価シート(うつ病リワーク研究会)、今回休職に至った心理社会的要因(自由記述)の調査を行う。また今回新たに本研究の主課題である精神生理学的手法として、課題は「通常しりとり」「生物しりとり」及び「言語流暢」課題を用いた、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)測定を行った。評価は復職支援プログラムの施行前後で行い検討している。 現在行っている研究の成果としては、うつ病復職支援プログラムを行う事でハミルトンうつ病評価尺度(以下、HAM-D)はプログラム後(以下、後)に有意に低下した。言語数はプログラム後に総ての課題で有意な増加を認めなかった。被験者全体では、プログラム前後で生物しりとり課題において酸化ヘモグロビンの変動に有意差を認めた。被験者別において、生物しりとり課題にて左記録部19チャネルでの酸素化ヘモグロビンの増加傾向が8名で観察された。そのうち6名がプログラム実施後に復職を果たした。うつ病復職プログラムにおいて、神経心理学的評価に加え、NIRSを用いた精神生理学的評価も客観的評価として有用と考える。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在1クール8名定員で、1個人当たり3クール(1年間)までの期間うつ病のリワークプログラムを実施しており、2クール、3クールと来所されている方も少なくない。検査についてはほぼ全例の方が同意され、検査も実施されており、また今後このうつ病復職支援プログラムを活用される対象者についても減少している印象はなく、若干対象者の総数は少ないものの、現状ではいままでの状況で本研究を遂行していく上での問題は少ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(平成24年度)以降は引き続き共同研究者らとともにうつ病復職支援プログラムを継続して行っていく。その中で復職支援プログラムを施行前後で各種心理検査やNIRSなどを用いた精神生理学的評価を行い、実際に復職した群と復職出来なかった群とでの比較を行う。復職できた群については可能な限り6ヵ月後においても再評価を行う。さらに対象となる年齢性別を一致させた健常者についても各心理検査やNIRS計測を行い、うつ病患者との比較検討を行う。これら結果をまとめ研究代表者や共同研究者は国内外の学会において、報告を行う予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費については、平成24年度以降は現有の装置や心理検査用紙を用いた検査を行っていくため、それにかかる検査費用、データ集積のための保存用のCD-ROMやハードディスクなどの物品費、さらには国内外の学会や論文投稿にかかる費用や研究補助者への謝礼、その他の雑費として計上していく。
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Research Products
(4 results)