2011 Fiscal Year Research-status Report
BTG2発現低下による乳癌悪性化および上皮間葉転換・幹細胞増加のメカニズムの検討
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23591906
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高橋 史行 順天堂大学, 医学部, 助教 (70327823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良 武司 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40276473)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | BTG2 / 乳癌 / EMT / 幹細胞 / microRNA / 転移 |
Research Abstract |
上皮間葉転換 (EMT)や幹細胞の存在は乳癌の進展や転移・治療抵抗性を考えていく上で非常に重要である。乳癌においてCD44+ CD24-/low細胞集団は癌幹細胞を多く含む分画であり、これら幹細胞様集団の生成とEMTには密接な関連があることが知られている。またmiR141、200cなどのmicroRNAsはTGFb2やEMT誘導因子ZEB1の発現を制御し、EMTや幹細胞性維持のメカニズムに重要な役割を演じている。一方、B-cell translocation gene-2 (BTG2)はBTG/Tob蛋白質ファミリーの一員で、乳腺上皮細胞に高発現しており、その発現は正常乳腺組織と比べて乳癌において著しく低下している。 我々は本研究においてBTG2遺伝子Knockdownはヒト乳腺上皮細胞において、EMT発症に密接な関連のあるmiR141やmiR200cなどのmicroRNAs発現をほぼ完全に抑制し、TGFb2発現上昇やSmad2リン酸化などTGFb pathwayを活性化させてEMTを惹起すること、また幹細胞様能力を持つCD44+ CD24-/low細胞集団分画を顕著に増加させることを見出した。また乳腺上皮細胞あるいは乳癌細胞の増殖・遊走・浸潤能においてErbB receptor pathwayは極めて重要だが、BTG2遺伝子KnockdownはHER2/HER3の活性化やAKT pathwayの活性化を誘導した。In vivoにおいてもH-Ras v12遺伝子を導入したMCF10A細胞のマウス乳腺への同所移植において、BTG2 Knockdownは肺・肝臓・骨髄への遠隔転移を著明に促進し、これらはHER2陽性の乳癌患者で効果が高いことが知られているTyrosine kinase inhibitorである分子標的治療薬Lapatinibの投与により著明に抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに我々は、BTG2遺伝子KnockdownはIn vitroでヒト乳腺上皮細胞においてEMTや転移にも重要なHER2/HER3の活性化やAKT pathwayの活性化を誘導すること、In vivoでもH-Ras v12遺伝子を導入したMCF10A細胞のマウス乳腺への同所移植において、他臓器への遠隔転移を促進し、これらにはLapatinibが奏功することを示し、Oncogene誌に論文発表した。またBTG2とタンパク相互作用があり、転写因子でもあるHoxB9の過剰発現でもヒト乳腺上皮細胞においてBTG2発現は低下し、同様にEMTやIn vivoにおいて遠隔転移を促進することをPNASに論文報告した。よって比較的順調に研究は進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
乳腺上皮細胞におけるBTG2遺伝子発現とEMT関連microRNAsであるmiR141やmiR200cの発現をより詳細に検討し、BTG2遺伝子Knockdownによる乳腺上皮のEMT発症のメカニズムを検証していく。またBTG2 Knockdownによって誘導される幹細胞様の集団(CD44+ CD24-/low細胞)をさらに詳細に検討し、これら幹細胞様の集団を標的とした新規の治療法を探索し、論文化を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
EMTや幹細胞性解析の実験が主体であるが、実験動物モデルを用いた腫瘍同所移植実験・遠隔転移実験やIn vitroあるいはIn vivoでの抗がん剤治療耐性実験も行う予定である。
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Research Products
(4 results)