2011 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌における細胞分裂期チェックポイント異常の系統的解明と分子標的治療への応用
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23591964
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鴻江 俊治 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30215199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻谷 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30188544)
掛地 吉弘 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284488)
森田 勝 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), 統括診療部, 医長 (30294937)
大賀 丈史 九州大学, 大学病院, 助教 (60335958)
江頭 明典 九州大学, 大学病院, 特任助教 (00419524)
園田 英人 九州大学, 大学病院, 特任助教 (00465725)
北尾 洋之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30368617)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 発がん / ゲノム不安定性 / スピンドルチェックポイント |
Research Abstract |
大腸癌治療における新たな分子標的を策定することを目標として、大腸発癌経路の大多数(85~90%)を占める染色体不安定型(CIN)発癌過程において認められる細胞分裂期のスピンドル(紡錘体)チェックポイント機構の異常に関し、BUBR1を中心に系統的に解析した。H23年度は、大腸癌切除標本組織におけるゲノム不安定性(染色体不安定性およびマイクロサテライト不安定性)の系統的解析を行った。1)大腸癌切除標本140例を用いて、染色体不安定性の形質としてDNA ploidyをLaser Scanning Cytometryを使用し、解析した。2)続いて、マイクロサテライト不安定性の形質としてmicrosatellite instability (MSI)を高分解能蛍光マイクロサテライト解析法により評価した。3)上記大腸癌切除標本組織における細胞分裂期スピンドルチェックポイント因子の発現の解析を行った。まず、BUBR1のモノクローナル抗体を用いた免疫組織化学染色によりBUBR1の蛋白発現レベルを解析した。4)上記三つの解析結果を比較検討した。(1)BUBR1高発現94症例のうち、68例(72.3%)がDNA aneuploidyであった。それに対して、BUBR1低発現46症例のうち、24例(52.2%)のみがDNA aneuploidyと、有意に低い頻度であった。(2)BUBR1高発現94症例のうち、わずか9例(9.6%)がMSIを示した。それに対して、BUBR1低発現46症例のうち、12例(26.1%)がMSIを示し、有意に高い頻度であった。 以上より、大腸癌においてCIN型に認められるaneuploidyにBUBR1が関与している可能性が示唆された。この結果は、われわれが胃癌において解析した結果と同等である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H23年度当初の計画では、大腸癌組織150例を用いて、ゲノム不安定性を解析することであった。実際には解析に不適格な組織が若干含まれていたので、140例を解析した。 ゲノム不安定性の検討として、Laser Scanning Cytometryを使用したDNA ploidyの解析により染色体不安定性を、また、高分解能蛍光マイクロサテライト解析法によるmicrosatellite instability (MSI)からマイクロサテライト不安定性を140例すべてにおいて明らかにした。順調に予定どおり進んだ。 さらに、細胞分裂期スピンドルチェックポイント因子としてBUBR1の発現を免疫組織化学染色により解析した。これはH24年度の計画であったから、予定より早く実験が遂行された。
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Strategy for Future Research Activity |
H23年度の研究は予定どおり、一部は予定以上に進んだ。さらに、研究結果は予想どおりであった。したがって、H24年度は計画当初の予定どおりに遂行する。 大腸癌切除標本組織における細胞分裂期スピンドルチェックポイント因子の発現を免疫組織化学染色により系統的に解析する。H23年度にBUBR1の発現解析は終了したので、H24年度は、その他の因子として、MAD2, Aurora A, Aurora B, Plk1の発現レベルを解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度同様、研究の遂行に必要な実験機器等は現有設備で行うことができるので、当初の予定どおり、設備備品費は不要である。 申請する金額のほとんどは免疫組織化学染色を遂行するために必要な抗体および試薬等の消耗品費である。 また、H23年度の研究結果を国内学会にて報告するため、旅費を計上した。
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