2013 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌におけるp53およびオートファジー機能解明と治療への応用
Project/Area Number |
23591966
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 裕士 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (80551259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
林 尚子 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20452899)
馬場 祥史 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (20599708)
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Keywords | colorectal cancer / autophagy / p53 |
Research Abstract |
今年度は昨年度までの臨床検体を用いた研究結果のメカニズムに関するinvitroの実験を主に行った。LS174T大腸癌細胞株(p53wt)におけるp53 knockdown(KD)細胞株とcontrol細胞株を用いて飢餓状態及び5-FUによるDNA障害時のオートファジー誘導確認ならびにアポトーシスの誘導確認を行った。 まず、p53KD細胞及びcontrol細胞をオートファジーのコントロールとして飢餓状態に置いた後、継時的に細胞を回収した。飢餓状態によるオートファジーの誘導をLC3及びp63の蛋白発現にて確認した。p53wt及びp53 KDいずれの状態においてもオートファジーの誘導が認められたが、p53KD細胞においてLC3IIのaccumulationが強い傾向にあった。次に、p53KD細胞及びcontrol細胞を5-FUによるDNA障害を加えた後に継時的に細胞を回収した。オートファジーの誘導をLC3及びp63の蛋白発現にて確認した。飢餓状態と同様にp53wt及びp53KD細胞いずれの状態においてもオートファジーの誘導が認められたが、p53KD細胞においてLC3IIのaccumulationが特に後期において強い傾向にあった。 また、p53KD細胞及びcontrol細胞に5-FUによるDNA障害を加えアポトーシスの誘導を確認した。p53KD細胞ではアポトーシスの誘導は起きなかったが、p53KD細胞及びcontrol細胞をsiATG5で処理したのちに5-FUによるDNA障害を加え、アポトーシスの誘導を確認した。p53KD細胞はcontrol細胞と比較してアポトーシスの程度が低い傾向が認められた。 以上の結果より、大腸癌細胞株においてオートファジーはDNA障害時にアポトーシスを促進する働きを持っていることが示唆された。
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