2011 Fiscal Year Research-status Report
ヒト脂肪由来幹細胞を用いた膵島移植における免疫寛容に関する研究
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23592010
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩田 貴 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00380022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 光生 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
宇都宮 徹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30304801)
栗田 信浩 徳島大学, 大学病院, 特任教授 (30335814)
西岡 将規 徳島大学, 大学病院, 助教 (50398020)
池本 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20398019)
森本 慎也 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (00548745)
吉川 幸造 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80448331)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 膵島移植 / 拒絶反応 / 脂肪由来幹細胞(ADSC) / 調節性T細胞 Treg / helper T細胞 / suppressor T細胞 / 免疫寛容 / OP9DL1細胞 |
Research Abstract |
【目的】膵島移植における拒絶反応を軽減させることを目指し、拒絶反応下に同時移植された脂肪組織由来幹細胞(ADSC)がreg T細胞となって、この移植片のステルス化を促進させるのか、helper-T細胞やsuppressor-T細胞に分化して免疫寛容を起こすのか形態的、免疫学的変化や、サイトカインなどのメディエーターとADSCの関連に注目して研究を行う。【方法】(実験1)ヒトADSC2×107個をDMEM+10%FBS+100 U/ml Penicillin G,+100 mg/ml Streptomycin培地に浮遊させ、OP9-DL1ストローマ細胞と共培養する。共培養後5、7、14日目に細胞を採取し、検討する。(実験2)Balb/cマウス由来の膵島100個をSTZ誘導糖尿病C57BL/6マウスの腎被膜下に移植する拒絶反応モデルにヒトADSC100個、実験1で分化したADSC100個を腎被膜下に同時移植する。(検討項目)1) ADSCの変化(CD34+CD38+でFACS-scan検討)、2) Treg細胞の分化、生存に必要な因子(Foxp3, IL-2, TGF-β, VEGFのmRNAをPCRで検討)、3) Notch関連因子(抗Delta1,3,4、Jagged1,2 抗体で免染)を検討する。【結果】ヒトADSCとOP9DL1細胞共培養は現在行われており、ヒトADSCの免疫細胞へ分化検討を行う予定である。マウス膵島移植拒絶反応モデルにヒトADSCを同時移植した実験では移植直後から血糖値は正常値にコントロールされた。【結論】これまでの検討では、異種膵島移植でもADSCによって血糖値がコントロールされたことからADSCが何らかの免疫寛容に関連することが判明した。今後、標本を用いてADSCの変化について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス膵島移植拒絶反応モデルにおけるマウス膵島分離および移植手技については習得、安定している。現在マウスADSCの抽出手技の習得中である。さらにヒトADSCとOP9DL1ストローマ細胞の共培養は現在行われており、ヒトADSCがT前駆細胞へ分化したことの確認を行う予定である。今後、マウス膵島移植拒絶反応モデルにヒトADSCやマウスADSCを移植し免疫寛容メカニズムの検討に円滑に移行可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス膵島異種移植モデルにヒトADSCを同時移植し、検討項目に挙げた拒絶反応の有無やヒトADSCの変化のほか、Treg細胞への分化、分化促進因子、Notch関連因子を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度はマウス膵島移植拒絶反応モデル作成とヒトADSCとマウスOP9DL1ストローマ細胞の共培養実験を行い、マウス膵島分離および移植手技については習得、安定した。ヒトADSCとマウスOP9DL1ストローマ細胞の共培養実験がcontaminationにより実験に時間を要し、繰越し(855,149円)が生じた。平成24年度は繰越し(855,149円)を加えた研究費で、CD4, 8, 39, 45などT細胞表面マーカーやマウスを購入し、平成23年度のヒトADSC共培養下T前駆細胞分化実験をくわえて計画書通りに使用予定。
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Research Products
(8 results)