2012 Fiscal Year Research-status Report
ドレーン排液中サイトカイン網羅的解析による膵切除後重症膵液瘻早期診断モデルの確立
Project/Area Number |
23592020
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40398459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60236677)
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60468288)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (90549734)
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Keywords | 膵液瘻 / ドレーン排液 / サイトカイン |
Research Abstract |
膵頭十二指腸切除術後膵液瘻は腹腔内膿瘍や腹腔内出血を併発し敗血症や多臓器不全をおこし手術関連死亡につながる重篤な合併症である。このため、膵液瘻が重症化する指標は非常に重要である。現在は膵液瘻の指標として一般的にドレーン排液中のアミラーゼを測定しているが重症化の指標に関しては議論がいまだ多い。膵液瘻の指標となるドレーン排液中のアミラーゼ以外のバイオマーカーの探索を行うことを本研究の目的としている。膵液瘻重症化因子の同定および重症化膵液瘻早期診断モデルを確立することによって、治療対象となる重症化症例を鑑別し、従来の膵液瘻に対する画一的な治療を改善し、膵液瘻治療の新たなアルゴリズムを提唱する。実施計画として膵頭十二指腸切除術を施行症例においてドレーン排液中サイトカインをBio-Plexサスペンションアレイシステムによって網羅的探索を行い、ドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握することによってサイトカインの種類と定量を検索することとした。 平成24年度は膵頭十二指腸切除術45症例においてBio-Plexサスペンションアレイシステムによる術後1,3,4日目の血清およびドレーン排液中サイトカイン網羅的測定した。膵頭十二指腸切除術45症例の臨床的特徴は男性:女性は27:18、平均年齢は65.4歳であった。膵液瘻発生率は8/45(17.8%)であり、International study group of postoperative pancreatic fistula (ISGPF)による膵液瘻分類ではgradeA 6例、gradeB 2例であった。そしてドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握し、膵液瘻の有無によるサイトカインの種類と定量の統計学的解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Bio-Plex Precision ProTM ヒト サイトカインアッセイパネル(バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社、300,000円)はsingleアッセイの場合、1パネル当たり最大80サンプルのアッセイが可能である。1症例につきドレーン排液検体は術後1、3、4日であるから3検体、血液も同様に術後1、3、4日であるから3検体、合計6検体測定する。よってサイトカインアッセイパネルは1パネル当たり13症例の血液およびドレーン排液中のサイトカイン測定が可能であり、現在、膵頭十二指腸切除術45症例においてBio-Plexサスペンションアレイシステムによる術後1,3,4日目の血清およびドレーン排液中サイトカインを網羅的測定した。予算範囲内で順当に膵頭十二指腸切除術45症例の血液およびドレーン排液中のサイトカイン網羅的測定を実行することができ、当初のほぼ予定とおりである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は膵頭十二指腸切除45症例の血清、ドレーン排液中サイトカインシグナルの全体像を把握し、International study group of postoperative pancreatic fistula (ISGPF)grade A、ISGPF grade B/Cの3群に分類し,膵液瘻の有無によるサイトカインの種類と定量の統計学的解析を行い、重症膵液瘻の早期診断に有効な血清およびドレーン排液中サイトカインの決定を行う。そして①ISGPFによる膵液瘻分類によって各症例を膵液瘻(-)・ISGPF grade A・ISGPF grade B/Cの3群に分類し、ISGPF grade B/C群に有意に発現するサイトカインを同定②重症膵液瘻の診断に有用なサイトカインのvalidation→重症膵液瘻の診断に臨床応用可能なドレーン排液中サイトカイン決定→ドレーン排液中サイトカイン値による重症膵液瘻予測回帰分析式を作成、という段階を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度である平成25年度は、現在までに測定された血清およびドレーン排液中サイトカインの統計学的解析が中心となる。このため、統計解析ソフトSPSS(IBM社、189,000円)を購入予定であり、さらに国際学会などの学術集会に参加発表し論文を作成予定である。
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Research Products
(6 results)