2011 Fiscal Year Research-status Report
肺高血圧症におけるARNT‐HIF1系を介する低酸素応答機構の解明
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23592039
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
菅野 幹雄 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (70563807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80240886)
黒部 裕嗣 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380083)
中山 泰介 徳島大学, 大学病院, 医員 (80582791)
藤本 鋭貴 徳島大学, 大学病院, 助教 (60611225)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / ARNT-HIF1 / 低酸素応答 |
Research Abstract |
今回の基盤研究として、まずCre-LoxP systemにより作製した独自の血管内皮細胞特異的ARNTノックアウトマウスを用いて低酸素応答のmonocrotaline肺高血圧モデルを作製する。他方、そしてARNT(+)の通常マウスを用いて低酸素応答のmonoclotaline肺高血圧モデルを作製し、これら2系統のマウス肺高血圧肺の低酸素応答変化に関連する諸因子を比較することにより、肺動脈内皮細胞ARNT-HIF1系を介する低酸素応答機構を明らかにすることを基盤としている。(1)今回の実験にあたり、まずノックアウトモデル作製を行った。Cre-loxP System(Mol Cell Biol 2003; 23:6739-6749)を用いたARNT-floxedマウスを用いて、Tie2 Cre HIF1-β変異マウスと同胞の野生型マウスを作製した。WT…Tie2 Cre HIF1-β(+/+) MT…Tie2 Cre HIF1-β(flox/+)(2)monocrotaline投与により薬剤誘導性肺高血圧症モデルの確立・確認を行った。もともとmonoclotarineは、豆科植物から抽出されたピロリチジンアルカロイドであるが、その豆を常食していた原住民に突然死が多いことから発見された。肺高血圧血管病変をもたらす物質として、現在研究分野を中心に広く用いられている。同monoclotarineを予備実験としてC57BL6マウス(25-30g)に腹腔内投与し。肺高血圧モデルを作製した。8週間後のSacrificeにより同モデルが肺高血圧症を誘発している経過を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究内容に関して、まだまだ予備実験の段階ではあるものの、モデルマウスの作製と肺高血圧の病気モデル作成を完遂しており、進行状況としては満足している。今後の本実験の中で、モデルマウス肺高血圧を誘導し、Hypoxia Inducible factor-1β(HIF-1β)の病態解析に繋げていけるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験の中で、解析用モデルマウスを作製し、前述の肺高血圧を誘導する。そして、実際に肺組織を資料して摘出し、次の解析を行う予定である。(1)肺高血圧の発生と内皮細胞の関連性に関して資料をElastica van Gieson染色、HE染色、免疫染色などの組織染色を用いて解析する。(短軸断面の作製により外膜・中膜・血管内腔の面積を測定し、肺高血圧の程度と内皮細胞の関連性を検討する)。(2)RT-PCR法によりHIF-1α、ARNT、サイトカインなどの発現量を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初回の基盤研究計画調書でまとめた通り次年度の研究費(金額単位:千円)の使用用途としては主に、実験動物(マウス)の購入およびモデル作成から、飼育費として630、試薬の購入費として100、プラスチック器具などの実験機材の準備に100、合計830を消耗品費として見込んでいる。さらに、研究発表などの旅費を250、研究支援者雇用の謝金の区分として600、そのほか通信費、外部検査委託費に計320を見込んでいる。総じて、本年度の研究経費は2,000であり、より無駄を省いた効率的な研究内容を遂行できるよう推進していく次第である。次年度以降に高額の機器を購入する可能性があるため繰り越し。
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Research Products
(7 results)