2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウサギの脊髄局所冷却による脊髄保護効果と小胞体ストレス反応の関係についての検討
Project/Area Number |
23592043
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 淳博 九州大学, 大学病院, 助教 (10260704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩川 祐一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70457422)
大石 恭久 九州大学, 大学病院, 助教 (20529870)
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Keywords | 脊髄虚血 / 小胞体ストレス |
Research Abstract |
脊髄虚血による対麻痺は、下行大動脈瘤や胸腹部大動脈瘤手術時の合併症として最大20%の頻度で認められ、術後の患者のQOLを考える上で非常に大きな問題となっている。これまでにも、脊髄保護目的に様々な薬物療法や低温療法、脊髄ドレナージ法が臨床応用されてきたが、いまだ確立された脊髄保護法はない。一方で、診断技術の進歩、高齢化の進行、生活様式の欧米化等により、大動脈瘤の患者は確実に増加しており、手術成績向上のために、脊髄虚血による対麻痺の進展に関するするメカニズムの解明や、その予防法の確立に対する重要性は増している。 本研究の目的は、ウサギの脊髄虚血モデルおよび脊髄冷却モデルを用い、脊髄虚血後の運動神経細胞死における小胞体ストレス反応の関わりと、冷却による脊髄保護のメカニズムの一部を解明することである。 平成25年度は脊髄虚血モデルおよび脊髄冷却モデルからそれぞれ得られた脊髄組織を用いてwesternblot analysis及び免疫染色による関連蛋白質の解析を行った。平成23年度からは小胞体ストレス関連蛋白に加えオートファジー関連蛋白の解析も行っている。Johnson scoreによる後脚機能評価によれば脊髄冷却により対麻痺は良好に回避されることが改めて確認された。これには小胞体ストレスおよびオートファジー関連蛋白が関わっていると考えているが、小胞体ストレス関連蛋白は蛋白抽出が非常に不安定で、解析に足りうる試料の作成に至らなかった。一方で、オートファジー関連蛋白に関しては順調な解析が進み、現在論文執筆中の段階にある。
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