2011 Fiscal Year Research-status Report
生物医薬品としての肉腫標的化腫瘍溶解性ウイルスの開発
Project/Area Number |
23592203
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
山村 倫子 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 研究員 (50342994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 克仁 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 研究所, 部長 (40211338)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / 腫瘍溶解性ウイルス / ヘルペスウイルス / カルポニン / 肉腫 / 悪性中皮腫 |
Research Abstract |
難治性肉腫と悪性中皮腫に対する腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスを用いた標的遺伝子療法の速やかかつ適切な実用化・臨床応用を目指し、遺伝子治療剤d12.CALPΔRRとカルポニンを発現しない腫瘍にも応用可能新規腫瘍溶解性HSV-1, d12.ODDΔRRの臨床研究に使用可能な試験薬を製造することを目的として、ウイルス臨床ロット製造のため、d12.CALPfΔRRと昨年報告した固形腫瘍の腫瘍内低酸素環境を標的化し得る新規腫瘍溶解性HSV-1ウイルスd12.ODDΔRRについて、既に製造済みで米国での生物学的評価試験(安全性試験)が終了したウイルス産生細胞であるVeroデザイナー細胞において、特異的で安定した標識遺伝子発現を示す単一クローンを限界希釈法により精製した。上記d12.CALPfΔRRとd12.ODDΔRRの単一クローンのウイルスを用いて、臨床に近い免疫能をもつ実験動物(ラット)に移植した悪性繊維性組織球腫に対する効力試験を行い抗腫瘍効果を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、遺伝子治療剤d12.CALPΔRRとカルポニンを発現しない腫瘍にも応用可能新規腫瘍溶解性HSV-1, d12.ODDΔRRの臨床ロット製造のためのクローンニングにあり、90%程度の精製が達成されている。そのウイルス溶液を用いて、免疫能をもつ動物で抗腫瘍効果が確認されているため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記d12.CALPfΔRRとd12.ODDΔRRの単一クローンのウイルスを用いて、臨床に近い免疫能をもつ実験動物(ラット)を用いたさらなる効力試験と安全性試験を行う。さらに、上記のVeroデザイナー細胞を用いて、最も試験薬製造に適した安定なクローンを選別し、小スケールでのマスターウイルスシードストック(MVSS)の精製を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ウイルスのクローニングに関わる実験の消耗品に用いる。小スケールでのマスターウイルスシードストック(MVSS)の精製は、病態生理学部門に設置の無菌環境下閉鎖系セルベクタープロセシングアイソレーターを用いて行う予定であり、このシステムの運用に関わる消耗品に用いる。
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