2013 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨変性の進行における小胞体ストレスの役割に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
23592219
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
水田 博志 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (60174025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 隼 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (40433007)
岡田 龍哉 熊本大学, 医学部附属病院, 特任助教 (90588401)
高田 興志 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (70599430)
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Keywords | 小胞体ストレス / 小胞体ストレスセンサー遺伝子 / 軟骨細胞 |
Research Abstract |
【目的】変形性関節症(OA)における軟骨変性の進行機序として小胞体ストレスの関与が注目されている。われわれは平成24年度の研究で、小胞体ストレスセンサー蛋白(Perk、Ire1α、Atf6α)のノックアウト(KO)マウスのOAモデルを作成し、解析を行った結果、Atf6αKOマウスで軟骨変性が進行することを明らかにした。平成25年度の研究目的は、各センサー遺伝子のノックダウン細胞を用いて、軟骨細胞機能におけるセンサー蛋白の役割を明確にすることである。 【方法】】5週齢雄のC57BL/6Jマウスの関節軟骨より単離した初代培養軟骨細胞に、Perk、Ire1α、Atf6αに対するsiRNAとLipofectamineを用いて、各センサー蛋白の遺伝子発現を抑制した(KD群)。対照群にはnegative control siRNAを用いた。小胞体ストレス誘導剤Tunicamycin(TM)を投与し、24時間後にCol2a1、Acan、Mmp13、Xbp1s mRNAの発現をRT-PCRで、アポトーシスをELISAで評価した。 【結果】TMの投与によって対照群ではCol2a1とAcanの発現が低下し、Mmp13とXbp1sの発現とアポトーシスが上昇した。これらの変化のなかで、Col2a1発現はIre1αとAtf6αのKDで、Acan発現はIre1αのKDで対照群よりさらに低下した。Mmp13は各センサー蛋白のKD群と対照群で差がなかったが、Xbp1sの発現上昇はAtf6αとIre1αのKDによって抑制された。また、アポトーシスの上昇は全センサー蛋白ともKDにより有意に上昇した。 【結論】小胞体ストレス下において、Atf6αKDでCol2a1の発現が、Ire1αKDでAcanとCol2a1の発現が低下したことから、これらの遺伝子が軟骨細胞機能に重要な役割を果たすことが示唆された。
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Research Products
(3 results)