2013 Fiscal Year Annual Research Report
肩関節の生体力学的解析に基づく腱板断裂発症機構の解明
Project/Area Number |
23592237
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
三幡 輝久 大阪医科大学, 医学部, 助教 (30425053)
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Keywords | 肩関節 / バイオメカニクス / 腱板断裂 |
Research Abstract |
申請書に記載した通りに、新鮮凍結屍体肩を用いた生体力学的研究を行った。本研究の目的である腱板断裂発症機構を解明するために、屍体肩の腱板を切離し、腱板断裂モデルを作成することにより肩関節にはどのような変化を認めるかを検討し、その後に修復することにより改善するか、また筋力負荷を変化することでどのように影響をうけるかについても検討した。その結果、腱板断裂モデルを作成することにより骨頭の上方化が起こり、修復することで改善するが、筋力負荷に変化を加えることによって、その結果は大きく影響受けることもわかった。このことから腱板断裂に対する修復術は生体力学的にも合理的な治療であることが考えられた。また腱板の筋力負荷を変化させると劇的に肩関節のバイオメカニクスが変化したことは腱板断裂の保存的治療に大きな意義のある結果である。腱板断裂が起こることにより強い痛みが出現し、その痛みによって力が入らないという患者が多いが、そのような患者に対しては痛みを軽減させるようなリハビリや薬物治療をすることで、筋力が改善し、肩関節の機能回復も得られる可能性が高い。また筋力強化を行うことで、肩関節バイオメカニクスが改善し、症状の改善につながることも考えられる。 以上より、本研究により腱板断裂の発症と悪化には、腱板断裂が起こることによる肩バイオメカニクスの変化と筋力の変化による影響が関わっていることが示唆された。今回の結果は臨床に直結する重要な結果であると考える。
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Research Products
(6 results)