2012 Fiscal Year Research-status Report
癌性疼痛治療におけるオピオイド非感受性に対するmiRNAの役割
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23592318
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
白石 成二 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (90216177)
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Keywords | がん性疼痛 / miRNA |
Research Abstract |
平成24年度は、前年度に明らかにしたがん骨転移モデルラットにて変化の見られたmiRNAについてμ-opioid受容体との関係について検討した。がん骨転移モデルラットと乳がん細胞ともに増加したmiRNA:let-7a, let-7b, let-7c, let-7d, let-7i, miR-140*, miR-20a, miR-10a-5p, miR-15b miR-16, miR-17-5p, miR-21, miR-23a, miR-24, miR-25等 がん骨転移モデルラットのみ増加したmiRNA:miR-351, miR-206, miR-210, miR-221, miR-291a-5p, miR-675 がん骨転移モデルラットのみ減少したmiRNA:miR-327, miR-296, miR-598-5p, miR-615, miR-678, miR-211*, miR-365*, miR-758* miR-770* HEK293細胞に恒常的にμ-opioid受容体を発現させて、上記miRNAによる影響をCellKey systemで検討した。 1)異常なmiRNAのμオピオイド受容体の活性化に対する影響 μオピ オイド受容体のアゴニストであるDAMGOで刺激した時の活性をCellKey systemにて測定し、異常なmiRNA処置による影響を調べた。 2)μオピオイド受容体の細胞膜での発現に対する異常miRNAの影響 HEK293にμオピオイド受容体+GFP(Green Fluorescent Protein)のcDNAを導入し、μオピオイド受容体+GFPを発現させた。μオピオイド受容体+GFPのcDNA導入と同時に、変化の見られたmiRNAで処置し, 細胞膜でのμオピオイド受容体+GFPの発現変化を共焦点顕微鏡で調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究の目的は、がん患者のオピオイド非感受性において見られるmiRNAの異常と細胞膜でのμ-opioid受容体の発現の変化やオピオ イドに対する感受性の低下の関係を明らかにし、がんの難治性骨転移痛やオピオイド耐性の発生メカニズムを解明することである。 平成24年度はがん骨転移モデルラットにおけるmiRNAの変化とμ-opioid受容体の関連について検討した。HEK293細胞に恒常的にμ-opioid受容体を発現させて変化の見られたmiRNA処置による影響をCellKey systemで検討した。しかし、異常miRNA の数が多くすべての検討には至っていない。HEK293にμオピオイド受容体+GFP (Green Fluorescent Protein)のcDNAを導入し、μオピオイド受容体+GFPを発現させた。しかし、変化の見られたmiRNAで処置し, 細胞膜でのμオピオイド受容体+GFPの発現変化を共焦点顕微鏡で調べるには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、がん骨転移により変化の見られたmiRNAを用いて平成25年度に予定されている研究を行う。すなわち異常miRNAと細胞膜でのμ-opioid受容体の発現の変化やオピオイドに対する感受性の関係を明らかにし、がんの難治性骨転移痛やオピオイド耐性の発生メカニズムを解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、変化のあったmiRNAと細胞膜でのμ-opioid受容体の発現の変化やオピオイドに対する感受性の低下の関係を明らかにする。 1) 異常なmiRNAのμオピオイド受容体の活性化に対する影響を調べる。平成24年度に確立したμオピオイド受容体のアゴニストであるDAMGOで刺激した時の活性をCellKey systemにて調べる方法を用いて、引き続き異常miRNAで処置した時のDAMGOによるμオピオイド受容体活性化に変化がみられるか調べる。 2) μオピオイド受容体の細胞膜での発現に対する異常miRNAの影響を調べる。平成24年度にHEK293にμオピオイド受容体+GFP(Green Fluorescent Protein)のcDNAを導入し、μオピオイド受容体+GFPを発現させた。このHEK293細胞に異常miRNAを処置し, 細胞膜でのμオピオイド受容体+GFPの発現変化を共焦点顕微鏡で調べる。 変化のあったmiRNAや試薬等の物品費や論文化に向けた諸費用に使用する。
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