2012 Fiscal Year Research-status Report
腎癌微小環境のエネルギー産生におけるFABP7の機能解明と発癌予防に向けた探索
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23592329
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
大園 誠一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00183228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 達也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90324350)
高岡 直央 浜松医科大学, 医学部, 研究員 (30467229)
寺谷 工 自治医科大学, 医学部, 講師 (70373404)
杉山 貴之 浜松医科大学, 医学部, 助教 (70444346)
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Keywords | 腎癌 / 脳型脂肪酸結合蛋白 / FABP7 / エネルギー産生 |
Research Abstract |
腎癌で高発現しているFABP7は、TUHR14TKB株を継代することで消失することを見出した。このFABP7発現を失った細胞株にFABP7を恒常的は発現するベクターを組み込んだ細胞株を樹立した。そこでそれぞれの細胞株の機能解析を行ったところ、FABP7発現の消失は、細胞増殖と運動能が亢進していること発見した。一方、FABP7は多価不飽和脂肪酸を親和性が高く、この性質が腎癌にどのように影響するかを確認するために、ヌードマウス皮下に腎癌細胞株を移植し、ω3脂肪酸であるDHAと炎症性サイトカインを誘導するとされるリノール酸をそれらのマウスに強制投与し、移植した細胞株の状況を観察する実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞株への脂肪酸負荷実験は、非常に不安定な条件下での実験で予備実験に少々時間を要したため、想定内での進行度 ではあるが、やや遅れぎみである。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)ヌードマウスの皮下にFABP7発現腎癌細胞株を接種し、脂肪酸を与え、腫瘍増殖に与える影響について検討する。 (2)腎癌におけるFABP7発現の意義をエネルギー産生の観点から検証するために実際に正常腎細胞株にFABP7を過剰発現させ、細胞 内ATP濃度を測定し、それが低酸素環境下でどの程度影響を受けるか検討する。また、同時に細胞内各種アミノ酸濃度を測定し、さら にフマル酸呼吸やグルタミン酸からのエネルギー産生についても検討する。 (3)FABP7 の発現が細胞内の脂肪酸濃度を上昇させ、また細胞内アミノ酸濃度に影響を与えている可能性がある。そこでFABP7 発現腎癌細胞株とFABP7 非発現腎癌細胞株で上記の各々の細胞培養条件における各種脂肪酸の細胞内濃度を液体クロマトグラフィーで測定する。また、細胞内各種アミノ酸濃度もキャピラリー電気泳動で測定する。また、オートファジーのLC3システムとFABP7との関連を調べる。 (4)腎盂に浸潤のないような腎癌の尿中にFABP7 のmRNAが検出される点についてはexosomeの関与が推定される。そこで術前、術後の尿をDNAase、RNAaseで前処理したサンプルでのmRNAの検出を試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度研究計画に準じて、引き続き消耗品の購入主体で使用する。
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Research Products
(14 results)