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2011 Fiscal Year Research-status Report

前立腺癌における融合遺伝子とアンドロゲン応答機構の解析

Research Project

Project/Area Number 23592352
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

高橋 悟  日本大学, 医学部, 教授 (50197141)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 山口 健哉  日本大学, 医学部, 助教 (00297813)
浦野 友彦  東京大学, 医学部附属病院, その他 (20334386)
咲間 隆裕  日本大学, 医学部, 助教 (90570739)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords前立腺癌 / アンドロゲン受容体 / アンドロゲン応答遺伝子
Research Abstract

前立腺癌特異的融合遺伝子のエンハンサー領域に存在する、AR結合部位配列に着目し、ARを介した融合遺伝子の転写調節機構の解明を本研究の主な目的としている。平成23年度はACSL3のアンドロゲン応答領域および、応答配列の同定と、AR転写活性を増強させる転写調節因子の同定、さらに、臨床データとの関連性の検討を行った。1. アンドロゲン応答遺伝子であり、ETS familyと融合遺伝子を形成するACSL3遺伝子の前立腺癌細胞LNCaPを用いたエンハンサー領域の解析および、その発現と前立腺癌の進行度、悪性度との相関について臨床検体を用いて解析した。ACSL3のエンハンサー領域にはAR結合配列が存在し、以前、我々が報告したアンドロゲン受容体補助因子Oct1が周囲に存在していることを認めた。さらに、Oct1がACSL3のAR転写活性に正の影響を与えていることを見出した。また、ACSL3が前立腺癌の悪性度と、臨床病期に相関し、さらに、Oct1の発現と正の相関を示していることが明らかにされた(学会発表1参照)。2. 新規アンドロゲン応答遺伝子ARFGAP3の機能解析を行った。LNCaP細胞を用いた実験で、ARFGAP3が前立腺癌細胞の増殖を亢進させ、細胞接着因子Paxillinと結合し、遊走能にも影響を与えていることが明らかにされた。さらにPaxillinを介して、ARの転写活性を亢進させることを見出した(論文発表1参照)。今後、さらなるアンドロゲン応答遺伝子の働きを解明することで新たなる前立腺癌治療への応用が期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究ではETS familyと融合する遺伝子の前立腺癌増殖に対する作用と臨床前立腺癌における発現様式を解析することを目的とし、コンピューター配列解析、ならびにChIP法を用いて、同遺伝子のエンハンサー領域に存在する特異的アンドロゲン応答配列を同定することにより、前立腺癌増殖に重要な役割を果たしているAR転写協調因子を新たに同定することを目標としていた。これに対し、平成23年度はACSL3のエンハンサー領域内に存在するアンドロゲン応答配列周囲の解析をすることにより、AR転写協調因子Oct1が正の転写活性を有していることが認められた。さらにACSL3自体の発現量が前立腺癌の臨床病期と悪性度、癌特異的生存率に影響していることを新規に発見し、関連する学会に報告した。また、ChIP-chip法で、同定した新規アンドロゲン応答遺伝子ARFGAP3が前立腺癌の細胞増殖を亢進させ、Paxillinと協調してARの転写活性増強と遊走能の亢進に影響を与えていることを見出し、論文発表を行った。以上の成果より目的に対する平成23年度の研究成果は順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

平成23年度の研究成果を発展させ、ACSL3遺伝子自体が前立腺癌の進展に寄与しているかどうかを調べるため、今後の研究の推進方策として、ACSL3遺伝子が与える前立腺癌細胞への影響の機能解析を行う。具体的にはヒト前立腺癌細胞株を用いて、ACSL3を過剰発現させた細胞ないしは発現を減弱させた細胞を作成し、細胞の機能解析を行う。また、研究実績の概要で示したARFGAP3等の前立腺癌の増殖に正の影響を与える新規アンドロゲン応答遺伝子におけるAR転写協調因子との関係性を検討することにより、Oct1に代表されるAR転写協調因子の前立腺癌における重要性を検討していく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

ACSL3遺伝子含有プラスミドをPCRと適切な制限酵素を用いて作製し、LNCaP細胞にトランスフェクションさせ、ACSL3安定発現細胞を作製する。または、ACSL3特異的siRNAを購入し、LNCaPに投与させることにより、ACSL3の発現が抑制された細胞を作製する。続いて、細胞遊走能試験と、増殖能試験を行う。次に、ChIP-chip法で同定されたARFGAP3を含めた、様々な新規アンドロゲン応答遺伝子のエンハンサー領域に存在するAR結合領域を解析する。まず、コンピューター配列解析ソフトを用いて、解析し、AR結合配列近傍のAR転写調節因子結合部位をPCRにて変異させ、その領域を含めたプラスミドを合成しルシフェラーゼアッセイを行い、AR転写調節因子の影響を検討する。上記実行を遂行するための消耗品購入費として主に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ARFGAP3, an androgen target gene, promotes prostate cancer cell proliferation and migration.2012

    • Author(s)
      大日方、高橋他
    • Journal Title

      International Journal of Cancer

      Volume: 130 Pages: 2240, 2248

    • DOI

      10.1002/ijc.26224

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Oct1 positively regulates the androgen-upregulated gene ACSL3, a 5’-translocation partner of ETV1, with androgen receptor in human prostate cancer.2011

    • Author(s)
      大日方、高橋他
    • Organizer
      癌学会
    • Place of Presentation
      愛知県
    • Year and Date
      2011年10月3日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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