2012 Fiscal Year Research-status Report
胎盤発生過程におけるCdx2のエピジェネティックな分子機構とヒト胎盤幹細胞の樹立
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23592390
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 準一 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60280880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡江 寛明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10582695)
樋浦 仁 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70451523)
有馬 隆博 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80253532)
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Keywords | 胎盤幹細胞 / エピジェネティクス / 細胞系譜 |
Research Abstract |
胎盤組織へと分化する胚体外組織(TE)は、胚盤胞期にCdx2の発現亢進とOct3/4の発現低下により、胚体組織より分化し、細胞運命が決定する。胎盤幹(TS)細胞は、胚体外細胞系列から樹立した未分化細胞で、容易に胎盤構成細胞への分化が可能な細胞である。本研究では、TS細胞を用い、Cdx2遺伝子のエピジェネティックな分子機構と分子間相互作用について解析する事を目的とした。 これまでにTS細胞を用いて、Cdx2遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化とヒストン修飾について解析を行なった。その結果、Cdx2遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化は、低メチル化状態であること、ヒストン修飾も活性型である事が判明した。これらの結果より、ES とTSの分化過程には、Cdx2遺伝子のエピジェネティックな分子機構が作用する事が示唆された。 本年度は、TS細胞におけるCdx2遺伝子の機能と分子間相互作用について解析した。そのため、一過性および永続性に、遺伝子発現を抑制するCdx2 遺伝子のノックダウンTS細胞とOct3/4遺伝子強制発現TS細胞株を樹立し、細胞特性や未分化TSマーカー遺伝子に与える影響について分子間相互作用を明らかにした。まず、ノックダウン効果が認められたTS細胞株を用い、形態変化と細胞周期について解析した結果、増殖能の低下とG1アレストが認められた。永続性ノックダウンTS細胞株では、TS特異的未分化遺伝子マーカー(Eomes, Id2, ErrB)の発現低下が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の如く、平成24年度の研究実施計画である「TS細胞におけるCdx2遺伝子の機能解析と分子間相互作用」はほぼ予定通り終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
Oct3/4遺伝子強制発現TS細胞株を樹立し、細胞特性や未分化TSマーカー遺伝子に与える影響について分子間相互作用を明らかにしていく計画である。これらの成果により、分化に伴うCdx2遺伝子の胎盤組織特異的な機能について、細胞特性、分子特性の変化を明らかにしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額と合わせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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