2013 Fiscal Year Annual Research Report
免疫性不妊女性における抗透明帯抗体のクラス分類と不妊治療への応用
Project/Area Number |
23592411
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 達也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90348003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 浩章 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80206143)
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Keywords | 免疫性不妊症 / 透明帯 / 精子 / 受精 |
Research Abstract |
抗透明帯抗体を保有する不妊女性が存在する。その場合、精子は卵子と結合して受精することができず不妊症となる。本研究は抗透明帯抗体を保有する免疫学的不妊女性の不妊機序を血中及び卵胞液中の抗体のクラス分類を利用して明らかにするものである。透明帯 の構造は、ZPA、ZPB、ZPCの3種類の糖タンパクから構成される。我々は抗透明帯抗体がそれらのいずれに対応するか、分子量および等電点の違いを利用し、患者毎に抗体のクラス分類を行った。そしてその抗体のクラス分類および抗体比を解析することにより、免疫学 的不妊女性の受精率や妊娠率の向上を期待できるのかを解明することを目的とした。 体外受精予定患者70名の血清を精製し夾雑物を除去後に、各々の血清を用いてmicro dot assayを行い、抗体陽性者4名を選別した。その後、抗透明帯抗体陽性血清を用いてウエスタンブロッティングを行い、ZPA,ZPB,ZPCのどの部分にバンドが出現するのかを確認後、画像解析ソフトを用いてバンドの分析および定量を行った。 その結果、3種類の抗体のうち、1種類(ZPB)にのみ反応を示した。精子と透明帯の結合様式は3段階に分類でき、第1段階のprimary bindingとは、精子の先体外膜表面上の透明帯認識分子であるリガンドと、透明帯上の精子レセプターであるZPCの結合を示すので、我々は、抗体陽性患者で受精障害を伴う場合はZPC抗体の量比が高いと考えていた。しかし今回は抗ZPB抗体にのみ反応を示しており、各患者の体外受精の結果との関係を検討し、抗体のクラスと受精及び着床等への影響との関係を検討している。
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