2012 Fiscal Year Research-status Report
閉経後女性の内臓脂肪蓄積機構の解明―メタボローム解析による創薬に向けた基礎的研究
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23592433
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高橋 一広 山形大学, 医学部, 准教授 (20292427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉智 博久 山形大学, 医学部, 教授 (40153366)
山谷 日鶴 山形大学, 医学部, 医員 (40550637)
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Keywords | エストロゲン / メタボリックシンドローム / 脂肪酸 / 閉経 / 内臓脂肪 |
Research Abstract |
メタボリック症候群 (Mets) は,内臓脂肪の慢性炎症が発症基盤であると考えられておあり,脂肪組織内に蓄積するパルミチン酸 (C16:0) が,炎症惹起物質の一つであると報告されている.閉経後に増加する内臓脂肪において,有経時と比較して代謝機能に差があるのか否かについて,低分子代謝産物を網羅的に同定・定量するメタボローム解析を行った.方法 倫理委員会の承認後,手術患者39名(有経16名,閉経23名)から書面にて同意を得た上で,内臓脂肪である大網および皮下脂肪を摘出した.脂肪はそれぞれcapillary electrophoresis time-of-flight mass spectrometryで解析した.成績 1) 皮下脂肪では両群に差がなかったが,閉経群の内臓脂肪で,飽和脂肪酸の代謝産物であるヘプタン酸 (C7:0),オクタン酸 (C8:0),ペラルゴン酸 (C9:0) の濃度が有経群に比較して有意に (p<0.05) 高値であった.結論 皮下脂肪では閉経前後で脂肪酸の代謝に差は認められなかった.閉経群の内臓脂肪で,脂肪酸の代謝産物が有経群に比較して高濃度に存在することが,メタボローム解析で初めて明らかとなった.特に偶数鎖脂肪酸のみならず,奇数鎖脂肪酸も増加することが明らかになった.閉経後の内臓脂肪では,脂肪酸代謝に変化がおき,これがMets発症に関与する可能性が示唆された.今後は奇数鎖脂肪酸代謝産物の上流に位置する,ペンタデカン酸がパルミチン酸同様に炎症を惹起するか否か確認する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に結果が出ているため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は奇数鎖脂肪酸代謝産物の上流に位置する,ペンタデカン酸がパルミチン酸同様に炎症を惹起するか否か確認する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後は奇数鎖脂肪酸代謝産物の上流に位置する,ペンタデカン酸がパルミチン酸同様に炎症を惹起するか否か確認するため,THP-1(ヒト単球性白血病細胞株)をマクロファージに分化させた後,飽和脂肪酸(パルミチン酸、ペンタデカン酸 (C15:0))200μMを添加し8時間培養後,IL-6, IL-8 mRNAの発現をreal-time PCR法で測定する.
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