2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592491
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
坂口 博史 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00515223)
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Keywords | 有毛細胞 / 聴覚 / ミオシン / 頂側結合 / 蝸牛 / アクチン / サルコメア / 上皮細胞 |
Research Abstract |
研究の目的:聴覚の成立に必須である有毛細胞の特徴的形態の形成に関わる分子機構を解明することを目指して研究を行った。有毛細胞頂側面の輪郭は他の上皮細胞に類をみない円形の形状を示すが、この形成メカニズムについてII型ミオシンによる収縮力と細胞間接着に着目して検討した。 研究の結果:まず免疫染色により3種類の非筋型ミオシンアイソフォーム(IIA、IIB、IIC)のうち、蝸牛感覚上皮細胞では特にIIBとIICが強く発現していることを示した。これらのII型ミオシンの活性を特異的阻害剤であるブレビスタチンで阻害すると、蝸牛有毛細胞および支持細胞の頂側面の面積が拡大し、有毛細胞頂側面の特徴的な円形性が失われることを見いだした。さらに、このような形態学的変化はミオシン活性阻害を解除すると再び正常化することから、II型ミオシンは細胞形態を動的に制御していることが判明した。また、II型ミオシンは複合体を形成して細胞の頂側結合部に存在するアクチン環に一定の周期をもって配列すること、および各々のII型ミオシン複合体が双極性のフィラメントを形成することを形態学的に示し、上皮細胞頂側結合部位におけるサルコメア様構造の存在を明らかにした。このような上皮系サルコメア構造は過去に想定されていたタイト結合のレベルだけでなく、アドへレンス結合のレベルまで存在していた。また、有毛細胞のみならず消化管上皮細胞においても同様のサルコメア構造が確認されたことから、上皮系サルコメア構造は上皮細胞に共通して存在し、組織の頂側面形態を維持するための根本的な機構である可能性が示唆された。 研究成果の報告:上述の研究成果について国際学会で報告し、最終的に英文学術誌に掲載された。研究成果の一部は申請者の所属する機関のホームページで一般向けに公開している。
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[Journal Article] NMII forms a contractile transcellular sarcomeric network to regulate apical cell junctions and tissue geometry2013
Author(s)
Ebrahim S, Fujita T, Millis BA, Kozin E, Ma X, Kawamoto S, Baird MA, Davidson M, Yonemura S, Hisa Y, Conti MA, Adelstein RS, Sakaguchi H, Kachar
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Journal Title
Current Biology
Volume: 23(8)
Pages: 731-736
DOI
Peer Reviewed
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