2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592525
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 保志 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40344337)
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Keywords | 咽頭癌 / 喉頭感覚 / 嚥下圧 / 嚥下動態 |
Research Abstract |
喉頭癌・下咽頭癌の放射線治療患者を対象として治療前後の喉頭感覚を測定し、放射線治療によって喉頭感覚が低下することを初めて明らかにした。(Ozawa, Fujimoto,他1名、Eur Arch Otorhinolaryngol, 2009)その結果を発展させて嚥下圧検査を加えた検討を開始し、喉頭感覚検査とともに化学放射線治療後の嚥下障害の解析を継続した。喉頭癌・下咽頭癌で照射野が中咽頭に及ばない場合、喉頭感覚が低下するのみでは嚥下運動における咽頭期惹起は遅延しないことがわかった(Maruo, Fujimoto,他、Eur Arch Otorhunolaryngol, 2013)。さらに、中咽頭癌症例での検討においても検討を追加した。その結果、照射野が中咽頭側壁や舌根にまで拡大され、知覚鈍麻がみられていても咽頭期嚥下反射の惹起遅延には照射前と比較しても有意差がみられなかった。また、今回の検討症例においては急性期の喉頭挙上速度や挙上距離等にも有意差はみられなかった。嚥下反射惹起については対側中咽頭の知覚がトリガーとして機能しているのか、より上位中枢のコントロールが機能している可能性もあると考察している。ここまでの研究結果は第37回日本嚥下医学会において発表した。現在は引き続き、その長期経過を観察中である。嚥下圧測定においては中咽頭圧、下咽頭圧の低下がみられる症例で咽頭残留が増加する傾向をみとめたが有意差は見いだせなかった。手術後症例では左右差があきらかであるが、舌根運動や咽頭後壁運動を左右差も含めて正確に計測できなければ詳細な解析は困難であると考察した。
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Research Products
(5 results)