2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌の浸潤・転移におけるEMTによる癌幹細胞活性化機構の解明
Project/Area Number |
23592537
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
太田 一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (00326323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭久 群馬大学, その他部局等, 准教授 (60275336)
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Keywords | 頭頸部外科学 / 癌幹細胞 / 浸潤・転移 / EMT |
Research Abstract |
本研究では、頭頸部癌の治療効果の向上のため、癌細胞の浸潤・転移のしくみを解明し、そのしくみを基に浸潤・転移を阻止することを目的としている。これまでに、Wntシグナル伝達経路がSnailを介してEMT(Epithelial-Mesenchymal Transition、上皮間葉移行)を誘導することで、MT1-MMPおよびMT2-MMPを活性化させるとともに、癌細胞の浸潤・転移能を獲得させることを見出してきた。そこで、頭頸部癌細胞において、いかにしてWnt/Snailのシグナル伝達経路がEMTを誘導し、癌幹細胞を活性化させ浸潤・転移を促しているかを、in vitroおよびin vivoのレベルで分子生物学的手法および独自の浸潤・転移モデルを用いて解明する。 今回、頭頸部癌細胞においてin vitroでWnt/Snailのシグナル伝達経路がEMTを誘導し癌の浸潤・転移を促していることを見出した。その結果を踏まえて、in vivoにおいても、我々が開発・確立した鶏卵によるin vivo癌浸潤・転移モデルを用いて、Wnt1あるいはSnailを強発現させた癌細胞が、生体において浸潤・転移能、さらには腫瘍増殖能を獲得することが分かってきた。さらに、SnailによりEMTを誘導された癌細胞は、癌幹細胞マーカーの発現や治療抵抗性の増強など癌幹細胞様特性の獲得も見出された。 今後、EMTに関わるこれらのシグナル伝達経路を制御することは頭頸部癌の浸潤・転移を制御することに繋がると考えられ、その意義は大きい。
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[Journal Article] Expression of REG III and prognosis in head and neck cancer2013
Author(s)
Masui T, Ota I, Itaya-Hironaka A, Takeda M, Kasai T, Yamauchi A, Sakuramoto- Tsuchida S, Mikami S, Yane K, Takasawa S, Hosoi H
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Journal Title
Oncol Rep
Volume: 30
Pages: 573-578
Peer Reviewed
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