2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592608
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大橋 裕一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00116005)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 康人 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (70314953)
|
Keywords | 角膜上皮 / 幹細胞 / K12遺伝子 / 遺伝子組換えマウス / バイオイメージング |
Research Abstract |
通常、角膜上皮は輪部の基底細胞より供給されると考えられているが、眼表面発生時には、角膜は表皮外胚葉由来の上皮細胞で覆われており、発生または発育の途中で輪部幹細胞由来の細胞と入れ替わる可能性がマウスで示されている。一方、K12遺伝子は角膜上皮への分化マーカーであり、未分化な細胞(幹細胞)には発現していないと考えられている。K12遺伝子発現を蛍光蛋白で識別可能なマウスを作成し、角膜上皮幹細胞の存在を明らかにするため、K12Creマウス【K12遺伝子発現時にCre recombinaseを同時発現】とRGTマウス【Cre recombinaseを発現したことがない細胞をm-tdTomato(細胞膜赤色蛍光)で、Cre recombinaseが発現したことがある細胞またはその子孫細胞をm-EGFP(細胞膜緑色蛍光)で識別することが可能】とを交配して得られた12週令及び24週令K12Cre/RGTマウス眼球を共焦点顕微鏡下で観察し、角膜上皮基底細胞層のK12Cre遺伝子発現細胞の分布を検討した。12週令においては、角膜中央部の上皮基底細胞中のm-EGFP陽性細胞集団の中に孤立したm-tdTomato陽性細胞と、m-tdTomatoとm-EGFPを同時に発現する細胞を隣に伴った、m-tdTomato陽性細胞認めた。24週令では孤立したm-tdTomato陽性細胞は認めなかった。輪部においては隣接する結膜上皮細胞がm-tdTomato陽性であるため、輪部幹細胞と結膜上皮細胞との識別は困難であった。角膜中央部の上皮基底細胞層に存在するm-tdTomato陽性細胞はK12 Cre遺伝子発現のない点から、胎生期から残存する角膜上皮の幹細胞であり、隣接するm-tdTomatoとm-EGFPを同時に発現する細胞は幹細胞より分化した角膜上皮細胞である可能性がある
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来、輪部の基底に存在すると、考えられる幹細胞の同定を行う目的で、研究を開始したが、現在使用しているCreレポーターマウスは輪部基底細胞のバイオイメージングの描出には適しておらず、マウスを交換するか、観察の方法をより洗練することが求められる。
|
Strategy for Future Research Activity |
輪部の基底のみではなく、角膜中央に存在すると考えられる未分化細胞についても、検討し、再生医療への方策を練る。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
器官培養を用いた、角膜上皮細胞の分化、増殖を促す、液性因子の検索を網羅的におこなう。
|