2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛋白質ナオフェンはエンドトキシンによる肝障害を制御する新たな因子となりうるか
Project/Area Number |
23592689
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
馮 国剛 愛知医科大学, 医学部, 講師 (70351111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 隆 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10378052)
|
Keywords | LPS / クッパー細胞、 / アポトーシス / TNFα / bupivacaine / NF-κB |
Research Abstract |
LPSを投与したラット肝臓においてWDR35(我々はnaofenと名を付けている)の発現がmRNAと蛋白質レベルで増加したと同時に、TNFα発現、caspase-3活性化と肝細胞アポトーシスも増加した。これに対して抗TNFα抗体の前投与はLPSによって増加したWDR35/naofenの発現、caspase-3活性化と肝細胞アポトーシスを有意に抑制した。初代培養クッパー細胞においてLPS処理はTNFαの発現を増加させた。さらに、LPSを用いて培養したクッパー細胞の培養上清(Kupffer cell-conditioned medium:KC-CM)は初代培養肝細胞におけるWDR35/naofenの発現とcaspase-3の活性を有意に増加させた。これに対して、抗TNFα抗体を用いてTNFαの活性を中和したKC-CMはWDR35/naofen発現とcaspase-3活性の増加作用がほとんど見られなくなった。これらの結果から、LPSはクッパー細胞においてTNFα発生を上昇させることを介して肝細胞のWDR35/naofen発現を増加した。WDR35/naofenはLPSによって誘導した肝細胞アポトーシスに関与することが示唆された。初代培養したクッパー細胞や肝細胞は長期間の継続培養ができないので、我々はWDR35/naofenの発現を誘導する実験系を新しく確立し、WDR35/naofenのシグナル伝達経路を調べた。Neuro2a細胞において、bupivacaineはNF-κBやc-Jun/AP-1の活性化と同時に、WDR35/naofenの発現を増加させた。この増加作用はNF-κB のインヒビターであるAPDC の前処理によって抑制されだが、c-Jun siRNA導入は影響しないことから、NF-κBの活性化はWDR35/naofenの発現を調節することが明らかにした。
|