2011 Fiscal Year Research-status Report
A群レンサ球菌ncRNAによる病原性調節機構の解析
Project/Area Number |
23592700
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (90444497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50273694)
寺尾 豊 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50397717)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50423421)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レンサ球菌 / non-coding RNA |
Research Abstract |
A群レンサ球菌はヒトに局所性化膿性疾患や全身性の二次疾患を惹き起こす.A群レンサ球菌感染による病態発症の機序は完全に解明されておらず,有効な治療法と予防法の確立が待ち望まれている.本菌が病態を発症させるためには,感染部位における病原因子群の巧みな発現調節が必要不可欠であると考えられる.そこで,本研究では,近年着目されている非翻訳性RNAによる転写・翻訳制御に着目し,病原因子発現における非翻訳性RNAの関与を検討することを目的とした.臨床分離頻度が高い血清M型から劇症型GAS感染症由来3型株を親株として使用した.まず,血清型M1株において報告されているncRNA群を参照すると共に,コマーシャルのncRNA予測プログラムを用いて,推定ncRNAの抽出を行った.これらの推定ncRNAが転写されているかを検討するため,菌体からTotal RNAを抽出し,in vitro transcription法により合成したプローブを用いてNorthern blot解析を行った.そして,発現が確認されたncRNAの一部について5’RACE法により転写開始部位を決定した.さらに,発現と転写部位を明らかにしたncRNAについて,抗生物質耐性遺伝子を導入しないマーカーレスの欠失株の作製を行った.これらの作製変異株を用いて非翻訳性RNAによる病原因子等の発現調節機構が明らかになれば,A群レンサ球菌感染による病態発症機序の一端が解明される可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画に従って,A群レンサ球菌における非翻訳性RNAの抽出,転写様式の解析および変異株の作製を行った.従って,本申請課題は順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
作製変異株の表現系を解析すると共にプロテオーム解析を行い,非翻訳性RNAの標的mRNAの同定を目指す.また,RNA間の相互作用を検討するために,変異株を用いた解析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
タンパク発現解析,新たな変異株の作製およびRNA解析に必要な試薬の購入に主に使用する.
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