2012 Fiscal Year Research-status Report
A群レンサ球菌ncRNAによる病原性調節機構の解析
Project/Area Number |
23592700
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中田 匡宣 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (90444497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50273694)
寺尾 豊 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50397717)
住友 倫子 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50423421)
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Keywords | レンサ球菌 / non-coding RNA |
Research Abstract |
A群レンサ球菌は咽頭炎や膿痂疹などの局所性化膿性疾患を起こすだけでなく,二次性の続発疾患としてリウマチ熱や急性糸球体腎炎を惹起する.また,発症頻度は低いが,壊死性筋膜炎やショック症状を伴う劇症型GAS感染症の罹患により高率で死亡することが報告されている.すなわち,A群レンサ球菌は皮膚や咽頭・上気道等の解剖学的部位に局所性および全身性の多様な病態を起こす.これはA群レンサ球菌の病原因子群や宿主因子等に起因すると考えられる.本菌が疾病を起こすためには,感染部位における厳密な病原因子群の発現調節が必要不可欠である.しかし,病原因子の発現調節の引き金となる環境因子やそれを感知するA群レンサ球菌の因子は完全には解明されておらず,転写因子による発現調節機構だけでは説明不可能な現象が認められてきた.そこで,本研究では近年着目されているノンコーディングRNAによる転写・翻訳制御に着目し,病原因子等の発現への関与を検討する.本年度では,劇症型GAS感染症由来の血清型3型の菌株を親株として作製したノンコーディングRNA群の欠失株と復帰変異株について表現型の解析を行った.通常の培養条件では,野生株や復帰変異株と比較して,欠失株群のコロニー形態や成長速度に変化が認められなかった.さらに,野生株,復帰変異株,および欠失株の細胞壁画分と培養上清画分に関してタンパクの発現を検討した.その結果,複数種のノンコーディングRNAについて,欠失によりタンパク発現レベルの変化が認められた.今後の解析により,ノンコーディングRNAによる病原因子等の発現調節機構が明らかになれば ,A群レンサ球菌感染による病態発症機序の一端が解明される可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ノンコーディングRNA群の欠失株を用いたタンパク発現解析により,A群レンサ球菌の複数種のノンコーディングRNAが翻訳制御に関与することを見いだしたことから,おおむね当初の計画通りに進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに同定されたncRNAと推定標的分子のmRNAとの相互作用を解析する.野生型のノンコーディングRNAもしくは点変異を導入した ノンコーディングRNAをシャトルベクターにより当該ノンコーディングRNAを欠失させた株へ発現させ,点変異による標的mRNAの翻訳への影響を検討する.また,ノンコーディングRNAの転写に関与する二成分制御系を網羅的に検索する.さらに,マウス感染モデルを用いて,ncRNAの病原性への関与を検討する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験試薬等の消耗品を中心とした研究費を申請する.また,研究に関する各種調査と成果発表を行うために学会への旅費を申請する.さらに,学術雑誌への投稿する外国語論文の校閲の費用と研究成果投稿料を計上する.
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article] Identification and characterization of a collagen-binding protein, Cbm, in Streptococcus mutans.2012
Author(s)
Nomura R, Nakano K, Naka S, Nemoto H, Masuda K, Lapirattanakul J, Alaluusua S, Matsumoto M, Kawabata S, and Ooshima T.
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Journal Title
Molecular Oral Microbiology
Volume: 27
Pages: 308-323
DOI
Peer Reviewed
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