2013 Fiscal Year Annual Research Report
ストレプトコッカス・インターメディウスのバイオフィルム関連遺伝子の検索
Project/Area Number |
23592724
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
福島 久典 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (50103099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 一芳 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (40388369)
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Keywords | バイオフィルム / 病原性 / ストレプトコッカス |
Research Abstract |
本年度は、昨年度同定したバイオフィルムを形成するストレプトコッカス・コンステラタスのゲノム解析をさらに進めた。先ず、シークエンシングの結果から構築したcontig間のgapクロージングにより、ゲノム配列の全長決定と、全遺伝子のアノテーションを試みた。既知のcontigの両端の配列からプライマーをデザインし、contig間の未知配列を増幅してシークエンシングすることで、配列を決定した。しかし、複数個所、単一の増幅産物が得られない部分があり、完全な全長決定には至らなかった。これは、該当部分に繰り返し配列が存在するためであると考えられ、今後コスミド構築など、今回試みた方法とは異なる戦略による配列解読が必要になることが明らかになった。ストレプトコッカス・コンステラタスにはさらに亜種としてsubsp. pharyngisとsubsp. constellatusがあることが知られており、今回用いた菌株は系統解析の結果からsubsp. constellatusに分類されると考えられる。本亜種は未だゲノム全長が決定しておらず、2亜種がそれぞれの種として独立する可能性もあることから、配列決定が急務であると考えている。また、本菌株を様々な培養条件で培養し、バイオフィルム形成性を比較したところ、嫌気条件(窒素80%、水素10%、二酸化炭素10%)で培養した時と、好気条件で10%の二酸化炭素のみ添加して培養した時ではバイオフィルム形成性が異なることが明らかになった。アンギノーサスグループのストレプトコッカスは二酸化炭素要求性が強く、嫌気条件で発育が良いことが知られているが、本結果により酸素の有無によって、バイオフィルム形成性を変化させ、自身を保護している可能性が示唆された。
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