2012 Fiscal Year Research-status Report
口腔乾燥症の克服に向けた唾液腺腺房細胞の分化・成熟と機能発現の分子機構の解明
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23592737
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤松 徹也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80294700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細井 和雄 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10049413)
長谷川 敬展 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (50447273)
姚 陳娟 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20432750)
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Keywords | 顎下腺 / サチライシン様前駆体蛋白質変換酵素 / PACE4 / 水チャネル / AQP5 / bHLH型転写因子 / 発生・分化・再生 / 腺房細胞 |
Research Abstract |
これまでに、増殖・分化因子前駆体等の活性化に関わるサチライシン様前駆体蛋白質変換酵素PACE4が顎下腺の発生(分枝形成)や分化(唾液分泌に関わる水チャネルAQP5発現)の調節に関与すること、唾液腺腺房細胞の分化過程ではbHLH型転写因子Mist1を介したPACE4の発現が誘導され、その結果、腺房細胞の分化・成熟が促進される可能性があること等を明らかにしてきた。 一方、in vivo RNAi実験により、出生直後の新生仔ラットの顎下腺近傍にアテロコラーゲンを主成分として、PACE4を特異的にノックダウンできるsiRNAを投与し、その影響を解析した。投与後2―15日目に顎下腺を摘出し、組織切片を作製し、TUNEL染色を行ったところ、アポトーシスの誘導が示唆された。このことは、PACE4による増殖・分化因子前駆体等の活性化が唾液腺細胞の正常な分化・成熟化に極めて重要であると考えられる。この点やAQP5局在の変化の有無等、更に検討を要する。 また、唾液腺は主導管結紮・再開放により、腺房細胞はアポトーシスが誘導され消失するが、導管細胞が増殖して腺房細胞を再生することが知られているが、その分子機構は不明である。本実験系は腺房細胞の分化誘導機構を解明する上でも有用であることから、一部解析に着手し始めている。予備実験の結果として、結紮後、AQP5レベルの減少やPACE4発現の誘導等が示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HSG細胞での解析は限界があるが、in vivo RNAi実験および唾液腺主導管結紮/再生モデル実験において興味深い知見が得られており、全体としては順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記研究結果を基に、引き続き解析する。 合わせて、唾液腺の発生・分化・再生あるいは唾液腺腺房細胞の分化誘導等に重要な役割を果たすことが示唆されるが、その生理機能が不明な幹細胞マーカーSca-1、bHLH型転写因子Mist1およびSgn-1、各々の機能を器官培養系や唾液腺主導管結紮/再生モデル実験系等により解析する。また、PACE4やAQP5の発現/機能制御との関連性についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への繰越金については、全額発注・納品済みであり、H25年4月に支払も全て完了している。 従ってH25年度も当初の予定通り、物品費(消耗品費)、学会出席等国内旅費、および、成果投稿料等その他の経費に使用予定である。
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Research Products
(1 results)