2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592850
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
津賀 一弘 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (60217289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤川 安正 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 教授 (00127599)
吉川 峰加 広島大学, 医歯薬保健学研究院(歯), 准教授 (00444688)
日浅 恭 広島大学, 病院, 助教 (60304432)
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Keywords | 歯学 / 検査 / 認知症 / 高齢者 / 摂食 |
Research Abstract |
口腔機能の維持改善は、高齢者のQOLの低下予防に有効である。しかしながら、口腔機能検査に本人の協力が得られない認知症高齢者では、機能の適正な評価・診断ができないまま、食事の介護サービスが提供されている。そこで、認知症高齢者においても口腔機 能を定量評価できる簡易な検査が是非とも必要であるが、利用できる検査はまだ無い現状である。本研究の目的は、①棒付き飴を短時間・自発的に舐めて摂取する重量と咬合力、最大舌圧、刺激唾液量等の既存の機能検査値および摂取可能食品との関係を明らかにする こと、②認知症高齢者における経口摂取の診断基準値を決定して、認知症高齢者の簡易な口腔機能定量検査を開発すること、にある。 平成23年度の研究成果より、棒付き飴の舐め方については、自由に舐めた場合より全力で舐めるよう指示したほうが検査として有用であることが強く示唆された。しかしながら、認知レベルの低下した高齢者では5分間継続して飴を舐めることが困難である場合も認められた。さらに潜在的な糖尿病患者に対しては平成23年度の研究において当初の棒付き飴(Chupa Chups, Barcelona, 13.6 g, イチゴ味)が異物混入で製品回収時に代用したマルチトールおよびトレハロースを成分とする試作飴(H+Bライフサイエンス社製)のほうが安全であると考えられた。そこで、平成24年度に再度予備実験を行い、試作飴を2分間全力で舐める方法に限定し、広島県下の高齢者施設を利用する覚醒状態の良好な認知症高齢者を対象として棒付き飴なめ検査と各種口腔機能検査、摂取可能食品調査、全身健康状態の調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に開発した検査方法について平成24年4月21日に開催された日本顎口腔機能学会第48回学術大会で報告するとともに、本邦では口腔機能に最も造詣の深い国内各地の研究者による討議を受けて、本検査の細部の熟成を行った。さらに、平成24年度当初に行った予備実験の結果、試作飴による検査値の再現性を示す級内相関係数は,十分大きく良好な再現性を示すとともに、平成23年度に用いた飴による結果と高い正の相関を示し、本研究に用いる妥当性が示された。 これを用いて広島県下の高齢者施設を利用する覚醒状態の良好な認知症高齢者の飴なめ検査と各種口腔機能検査、摂取可能食品調査、全身健康状態の調査を行ったところ、MMSEのスコア11点以上であれば認知症高齢者でも本検査が可能であることが示されるとともに,MMSEのスコア1-10点の被験者でも多くが検査可能であることが示された。さらに、その値は平成23年度に実施した認知レベルの高い高齢者と比べて有意な差を認めず、認知症の程度によらず口腔機能検査として有用である可能性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究成果より、棒付き飴の舐め方については、全力で2分間舐めるよう方法に限定し、引き続き広島県下および島根県下の高齢者施設を利用する覚醒状態の良好な認知症高齢者を対象として棒付き飴なめ検査と各種口腔機能検査、摂取可能食品調査、全身健康状態の調査を行っていくこととした。さらにその結果を日本歯科補綴学会ほかで発表して顎口腔機能に造詣の深い多くの研究者と討議することを考察に反映して論文をまとめ、英語論文として投稿する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
引き続き認知症高齢者における本検査の応用性と診断基準値を探求するため、次年度の旅費を用いて広島県下および島根県下の高齢者施設を訪問し,該施設利用あるいは在住で覚醒状態の良好な認知症高齢者を対象として次年度の物品費で購入する棒付き飴をなめる新規口腔機能検査を行うとともに,各種口腔機能検査、摂取可能食品調査、全身健康状態の調査(過去6カ月間の発熱、体重の増減、Mini Mental State Examination(MMSE)または改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)、日常生活自立度(ADL)の変化)を6か月間隔で行うための検査用消耗品、記録用消耗品を次年度物品費で購入する。 さらに、得られた結果について適切に管理・分析する費用、学会発表および論文発表を行うための旅費、諸費用に次年度の研究費を使用する。
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Research Products
(1 results)