2011 Fiscal Year Research-status Report
新規抗癌ウイルス製剤を用いた末梢循環腫瘍細胞の検出の検討
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23592944
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
鎌谷 宇明 昭和大学, 歯学部, 助教 (00315003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 悟 昭和大学, 歯学部, 教授 (80294429)
近藤 誠二 昭和大学, 歯学部, 准教授 (10432634)
椋代 義樹 昭和大学, 歯学部, 助教 (50325099)
栗原 祐史 昭和大学, 歯学部, 助教 (90514969)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / テロメライシン / ウイルス増殖 / E1遺伝子 |
Research Abstract |
末梢循環腫瘍細胞(CTC)を高感度で検出できるように、研究を進めている。 まず、in vitro におけるテロメスキャンの選択的増殖と蛍光発光の可視化について検討している。低分化、中分化型さらに高分化型のヒト口腔扁平上皮癌細胞、およびヒト上皮異形成細胞、さらにヒト口腔正常細胞にテロメライシンを感染させ、テロメラーゼ依存性のウイルス増殖能について、リアルタイムPCR法によりウイルスの力価を測定した。抗E1A抗体を用いた免疫組織染色やウエスタンブロット解析を行い、E1A遺伝子の発現とウイルスの増殖の相関を検討した。その結果、リアルタイムPCR法によるウイルスの増殖と遺伝子の発現、さらにその蛋白発現量にほぼ正の相関がみられた。 口腔の扁平上皮癌細胞にテロメスキャンをウイルスを使用して感染させ、蛍光顕微鏡を用いて、GFPによる蛍光発現を観察することで、ウイルス感染とテロメスキャンの増殖、さらにGFP遺伝子の発現について観察した。その結果口腔の扁平上皮細胞にウイルスを感染させることが可能であった。さらに感染した細胞ではGFP遺伝子が発現し、蛍光の発現を確認することができたことから、テロメスキャンの増殖が生じていることが示された。しかしながら、テロメスキャンの増殖とGFP遺伝子の発現の相関に関しては、十分な実験結果はこれまで得られていない。現在フローサイトメトリー解析によるGFP遺伝子の発現について検討しているところであるが、まだ定量的な相関性を示す実験データーは得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルス感染をさせた細胞をフローサイトメトリーにかける際の処置について、うまくいかず時間がかかっていた。とくに感染効率について、ある程度一定の割合で行えるように研究している。蛍光の発現やリアルタイムPCR法についてはほぼ順調に実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定していた末梢循環腫瘍細胞(CTC)のモニタリングの可能性についての基礎実験については今年度概ね達成することができた。今後は血流に流れている口腔扁平上皮癌細胞に対し、ウイルス製剤を感染させ、可視化することができるかを検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CTCのモデルの確立およびウイルス製剤感染による選択的可視化についての検討を予定している。これには、ヒト末梢血液中に口腔扁平上皮癌細胞を混和し、CTCモデルとして一定期間培養したのち、赤血球溶解液を加え、遠心分離後のペレットにテロメスキャンを感染させ、高感度冷却3CCDカメラにて観察することを計画している。
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